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【国際】PRI、署名機関の議決権行使・エンゲージメントが不十分と問題視。あるべき姿を3つ提示

 国連責任投資原則(PRI)は11月20日、気候変動や所得格差、租税回避(BEPS)等の環境・社会課題に対する署名機関のスチュワードシップ行動を強化するため、新たなビジョン「Active Ownership 2.0」を発表した。アセットオーナーと運用会社の各々受益者の関心に応えていくため、投資先企業に対するエンゲージメントや議決権行使を積極的に実施していくことが必要だと提唱した。

 6つのあるPRIの原則のうち、第2原則は、アクティブ・オーナー(物言う株主)になり、オーナーシップの中にESGを組み入れていくこと。したがって、PRIの署名機関には、投資意思決定でESGを考慮するだけでなく、投資後に投資先に対する積極的なエンゲージメントや議決権行使が要求される。PRIとしても昨今、集団的エンゲージメントを主導する等、エンゲージメントを活性化するアクションを開始している。一方、PRIは今回、アクティブ・オーナーシップの原則が果されていないと現状を問題視し、あるべき姿を提示した。

 今回の新ビジョンが定めた、あるべきアクティブ・オーナーのあり方は3つ。まず、「アウトカム(結果)重視」。エンゲージメントや議決権行使のKPIについては、エンゲージメント実施回数等の行動指標や、企業の情報開示を要求する等の指標をゴールとしている署名機関がいるが、あくまでゴールは実社会へのインパクト指標で置くべきとし、インプット指標やプロセス指標ではないと明言した。

 次に「共通ゴール」。エンゲージメントや議決権行使では、長期的リターンを拡大するために必要だが、投資家単体では追求しにくい課題にフォーカスすべきとした。そのため、気候変動や腐敗防止等のシステミック課題に相当するベータ改善のために行うべきとした。

 最後は「コラボレーション」。共通ゴールの実現のためにも、投資家が協働してアクティブ・オーナーシップを発揮すべきとした。協働の方法としては、集団的エンゲージメントだけでなく、目標を共有しつつ個々でエンゲージメントすることもありうるとした。

 PRIは、署名機関からも投資の「短期志向」は長期的リターンを損なうという声が出ていることを紹介。長期的リターンを高めるためには、アクティブ・オーナーシップが重要との考え方をあらためて強調した。

【参照ページ】Stewardship is failing us, yet remains our best hope
【文書】Active Ownership 2.0

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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