世界保険大手英リーガル&ゼネラルの運用子会社リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は2月3日、投資先企業の取締役会におけるガバナンス体制およびダイバーシティに関する議決権行使方針を改訂したと発表した。投資先企業で、取締役会議長がCEOを兼務する場合や、監査役の在任年数が長い場合、取締役会の女性比率が低い場合に、株主総会決議で取締役の再任に反対票を投じるとした。同社の運用資産残高は、1.1兆ポンド(約160兆円)。
今回の方針改訂は、米国、フランス、スペイン、日本の上場企業にとって大きな影響を及ぼすと言及した。まず、米国、フランス、スペインでは、上場企業で取締役会議長とCEOが兼任しているケースが多い。米企業全体では、独立取締役は増加傾向にある一方、S&P500選出企業の約半数の47%で依然、取締役議長とCEOの兼任が見られる。欧州においても同職の兼務は、フランスのCAC40選出企業では53%、スペインのIBEX35選出企業で20%。LGIMは、取締役会議長とCEOの分離により、権限と責任のバランスが改善され、企業と投資家に長期的な利益をもたらすとした。
また、同社はこれまで、取締役会のダイバーシティは経済的・組織文化的メリットがあるとし、直近10年、取り組み姿勢を強化していきた。2015年には、取締役会が男性のみの英国最大手100社に対し、ダイバーシティに関する投票ポリシーを導入。その後、同アプローチの対象は、グローバル全体で取締役の女性比率が25%未満の英最大手350社にまで拡大させた。2019年からは、S&P500およびS&P TSXに選出された最大手100社も対象に加える。
【参考】【イギリス】運用大手リーガル&ゼネラル、投資先企業にダイバーシティと気候変動対応要求 (2018年4月21日)
さらに、日本においても、女性取締役が一人もいないTOPIX100採用企業は、取締役再任決議で反対票が投じられる。日本の取締役会における女性比率は2019年、初めて10%を上回ったものの、米S&P500で27%、英FTSE350では30%と、他の先進と比べ、依然低水準となっている。
【参照ページ】LGIM to vote against combined CEO and board chairs globally
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