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【国際】ハーバード大、パンデミック完全終了まで長期化を予想 〜2022年まで伸びるケースとは〜

 ハーバード大学公衆衛生大学院は4月14日、風邪の原因となるヒトコロナウイルスOC43およびHKU1を参考に、新型コロナウイルスの将来的な感染拡大を予測した論文をサイエンス誌に発表した。同論文は、「ソーシャルディスタンスは2022年まで、長期または断続的に必要となるかもしれない」という部分に注目が集まり、多くのメディアに取り上げられた。

 同研究では、ヒトコロナウイルスOC43およびHKU1の季節性、免疫性、交叉免疫性の推定値から、新型コロナウイルスの感染拡大に与える影響を分析した。交叉免疫性とは、あるウイルス株の接種で誘導した免疫反応が、異なるウイルス株に対しても中和活性を示すこと。

 これまでのところ新型コロナウイルスには、確立した薬剤療法が存在しない。各国で接触追跡や検疫、ソーシャルディスタンス等の対策が取られ、中国等の一部の国では、感染防止に一定の成果を挙げた後、対策の解除が始まっている。新型コロナウイルスは、病名ではCOVID19だが、ウイルス名ではSARS-CoV-2。2002から2003年に流行したSARS(SARS-CoV-1)と遺伝的親類で近しく、短期的に爆発的な流行を引き起こした後、集中的な公衆衛生対策によって根絶される可能性もある。

 しかし、公衆衛生当局はこうした可能性は高くないと見ているという。致死率や冬の気候で大流行する特性から、新型コロナウイルスはむしろ、2009年にパンデミックを引き起こした新型インフルエンザに似ていると指摘。初期の感染拡大が収まった後、定期的に冬季に再拡大を引き起こす可能性があると分析した。

 免疫性については、風邪の原因となるOC43およびHKU1が1年以内に免疫が大きく減少する一方、新型コロナウイルスは、持続性の高い免疫となる可能性がある。さらに、新型コロナウイルスへの感染はヒトコロナウイルスOC43から細胞を守る中和抗体を生成し、またOC43への感染は新型コロナウイルスに対する交叉免疫性を持つ抗体を生成する可能性があるとした。

 新型コロナウイルスへの対策としては、医療崩壊を防ぐという観点から必要な対策期間を論じた。これまでのところソーシャル・ディスタンシング措置により、感染のピークを秋に先延ばしにしているが、仮に冬に感染スピードが上がるとすると医療崩壊を引き起こすかもしれない。そのため、広範囲な検査実施導入により、再び感染拡大の兆候が見られた場合にはソーシャル・ディスタンシングを再度発令する等の継続的な対応が必要となるとした。

 ソーシャル・ディスタンシングの発令を避けるためには、シンガポールや香港等の一部地域では徹底した検査実施と感染経路把握による封じ込めが有効と説明。すでに感染が大規模に広がっている現状では、封じ込め戦略が通用しない地域が多いが、一度感染が弱まれば封じ込めが有効となると指摘した。封じ込め戦略を採用せず、ワクチンも開発されない場合には、ソーシャル・ディスタンシングを2022年まで続けなければならなくなる可能性があると示した。広範な検査実施による警戒態勢は、2024年まで続けるべきとした。

【参照ページ】Projecting the transmission dynamics of SARS-CoV-2 through the postpandemic period

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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