文部科学省と経済産業省は6月2日、マテリアル革新力強化のための政府全体の戦略策定に向けた基本的な考え方や今後の取組の方向性等を示した「マテリアル革新力強化のための政府戦略に向けて(戦略準備会合取りまとめ)」を決定した。
両省は、物質、材料、デバイス等の「マテリアル」分野で有していた日本の強みが近年大きな危機にある現状等を受け、「マテリアル革新力強化に向けた準備会合」の下に、合同で「マテリアル革新力強化のための戦略策定に向けた準備会合」を設置し、検討を実施してきていた。座長は東北大学総長。その他、大学教授、製造業大手経営陣、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所、自然科学研究機構から外部有識者委員が出ていた。
同報告書は、日本企業は、素材産業では世界の市場シェアを維持している一方、電池や半導体については市場シェアを徐々に下げている状況にあると指摘。さらに原料供給リスク増大や、サーキュラーエコノミー型の競争力の低下、大学発スタートアップの少なさ、研究開発期間の短縮と低コスト化を目指すデータ駆動型研究開発の遅れ等に言及し、素材産業は危機を迎えていると厳しい見方を示した。
その上で、目指すべき将来像として、「マテリアルで産業を牽引し、世界でリーダーシップを発揮する国」「マテリアルの魅力で、世界から優れた研究者を引き付ける国」「マテリアルで新しい価値と産業を生み出し、世界に貢献できる国」の3つを掲げ、2030年を見据えて今後当面推進すべき4つの取組を提示した。
- データを基軸としたマテリアル研究開発のプラットフォーム整備
- 重要なマテリアル技術・実装領域の特定
- ベンチャー企業等を生み出す産学官のステークホルダーが参画・融合するイノベーションエコシステムの構築
- マテリアル革新力を支える人材の育成・確保
【参照ページ】「マテリアル革新力強化のための政府戦略に向けて(戦略準備会合取りまとめ)」が決定されました
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