シンガポールのパーム油生産大手Musim Masは11月27日、インドネシア・アチェ州でのアブラヤシ栽培で、「森林破壊ゼロ、泥炭地ゼロ、搾取ゼロ(NDPE)」ポリシーを導入することを目的とした5年間のロードマップを発表した。パーム油生産では大規模な熱帯雨林破壊を引き起こしていることで知られるが、東南アジアの大手でも、NGO等からのプレッシャーによりNDPE方針を掲げる企業が増えてきた。
今回のロードマップは、アチェ州での全てのアブラヤシ栽培をカバー。地方政府や消費財メーカーと協同しながら、NDPEを実現していく。一例として、アチェ・タミアン県では、IDHのSustainable Trade Initiative、地方政府、NGO等のステークホルダーが構築した既存の制度に加え、小規模農家もプログラムに巻き込むため「Smallholders Hub」を拡大展開していく。
アチェ州では、特にルーセル・エコシステム(Leuser Ecosystem)と呼ばれる260万haの熱帯低地林での熱帯雨林破壊が深刻で、国際環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は2014年から、同地でのNDPEの導入を求め、活動を展開していた。Musim Masは2013年から調達元の小規模農家と協議を進めてきたと話しているが、同社はRANが監視と抗議を続けてきた1社だった。
同ロードマップの内容は、エンゲージメント、保証、モニタリング・対応の3つで構成。エンゲージメントでは、小規模の独立自営農家や搾油工場に対し、NDPEを義務化する方針と違法した際の措置も知らせていく。保証では、NDPE遵守を確認するプロセスを構築する。モニタリング・対応では、森林破壊を検知する仕組みを構築する。
【参照ページ】MUSIM MAS LAUNCHES A FIVE-YEAR NDPE ROADMAP FOR ACEH
【参照ページ】RAN Responds to Palm Oil Giant Musim Mas’ Issuance of Roadmap for No Deforestation Supply Chains in Aceh, Indonesia
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