シンクタンク大手は12月16日、金融市場の大手7社に対し、森林破壊抑止に向けた積極的な対策を促すレポートを発表した。当該7社は、サプライチェーンで森林破壊を引き起こしている世界の上場企業に対し大きな影響力があり、森林破壊を防ぐ重要な役割を背負っているという。
今回のレポート発表したのは、英環境シンクタンクNGOプラネット・トラッカー。今回指名された7社は、ETF(上場投資信託)を設定している運用会社大手のブラックロック、バンガード、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)の3社と、ETFで使用するインデックスを開発しているMSCI、FTSE、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス、ブルームバーグの4社。
プラネット・トラッカーは、今回の分析に当たり、森林破壊リスクの高い大豆生産に関連する時価総額の大きい世界26社を特定した。26社は、米国のホーメル・フーズ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)、タイソン・フーズ、バンジ、アデコアグロ、英国のグレンコア、アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ、シンガポールのウィルマー・インターナショナル、Japfa、インドネシアのシナルマス・アグロ・リソーシズ・アンド・テクノロジー(SMART)、ブラジルのJBS、マルフリグ・グローバル・フーズ、ミネルバ、SLC Agricola、Brasilagro - Cia Bras、Terra Santa Agro、中国のNew Hope Liuhe(新希望六和)、Wens Foodstuf(温氏食品)、Guangdong Haid(広東海大)、タイのチャルーン・ポーカパン・フーズ(CPフーズ)、香港のCOFCO Meat(中糧家佳康食品)、アルゼンチンのCresud、インドのEmami、Godrej Agrovet、Ruchi Soya Industries、フィンランドのネステ。
同レポートでは、運用会社の金融商品でも、特にETFに関しては、サステナビリティに関するアクションが少ないことに着目。ETFの市場規模が大きく拡大する中、ETFスポンサー大手が、森林破壊についても積極的に影響力を行使することで、26社の事業慣行の改善に寄与すると指摘した。
具体的な要請事項としては、アクティブ運用のETF設定企業には、森林破壊リスクの高い企業の運用除外、森林破壊リスクの高い企業のポートフォリオ構成比の公表、議決権行使とエンゲージメントを求めた。パッシブ運用のETF設定企業にも、議決権行使とエンゲージメントを求めるとともに、それでも著しいリスクが軽減されない場合は運用除外も視野にいれるよう求めた。
インデックス開発企業に対しては、森林破壊リスクの高い企業のポートフォリオ構成比の公表、運用会社に対し議決権行使やエンゲージメントの強化要請、森林破壊ゼロ・インデックスの開発を要請した。
【参照ページ】Planet Tracker names the seven companies critical to tackling ETF deforestation risk
【レポート】Exchange-traded Deforestation
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら