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【北米】トタル、アメリカ石油協会からの脱退表明。気候変動対策姿勢が不十分

 エネルギー世界大手仏トタルは1月15日、アメリカ石油協会(API)からの脱退を表明した。APIの気候変動対策に対する消極的な姿勢が理由と説明した。エネルギー業界からの先鋭的な発表に、各所から称賛の声が上がっている。

 APIは、米国、カナダ、メキシコ等の主要石油企業が加盟する業界団体。トタルも米国法人が加盟していた。エネルギー大手の業界団体加盟方針については、近年、株主である機関投資家から情報開示や定期的な加盟見直しを実施するようプレッシャーが掛かっていた。同社も毎年、加盟している業界団体の気候変動に対する取り組み姿勢について評価を実施。APIの2019年から2020年にかけての気候変動に対する姿勢は、部分的にしか賛同できないと判断した。

 同社が懸念する点は、APIがトランプ政権下で米環境保護庁(EPA)が行ったメタンガス排出規制の撤廃を支持し続けていることや、電気自動車(EV)への補助金への反対を表明する団体米「Transportation Fairness Alliance(TFA)」の一員であること。また、炭素税への反対、2020年の米大統領選挙シーズンでパリ協定再加盟に反対する候補者を支持していたことも挙げた。

 一方、同社は、科学に基づき、人類の活動と気候変動には関係性があるとし、パリ協定再加盟や炭素税の導入、再生可能エネルギーの開発促進のための政策及びイニシアチブを支持。2020年9月には、二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)実現に向けた戦略を示したレポート「Getting to Net Zero」で、気候変動に対する姿勢を明示している。同レポートでは、天然ガスが、エネルギー移行において主要な役割を担うという考えや、炭素回収・貯蔵(CCS)の開発の支持も表明している。

 さらに同社は、自社でのグリーン水素生成にも取り組んでいる。1月13日には、フランス・シャトーヌフ・レ・マルティーグに同国最大のグリーン水素生成プラントを建設するプロジェクト「Masshylia」について、仏電力・ガス大手エンジーと共同推進することに合意した。

 両社は、エンジニアリング調査実施後、2022年着工予定。財政支援と公的承認を条件とし、2024年の生産開始を視野に入れている。同プロジェクトは既に、欧州共通利益の重要プロジェクト(IPCEIs)のイノベーション基金や、「AMI Hydropower foundation」からの補助金も申請済み。

 同プロジェクトの水素生成プラントでは、設備容量10MW以上の太陽光発電所と、40MW電解槽を接続し、グリーン水素を1日5t生成。トタルのバイオ燃料精製プラント「La Mède 」で活用し、二酸化炭素排出量1.5万t削減する。今回発表の第一フェーズ完了後、新たな再生可能エネルギー発電所が開発された場合にも、電解槽から1日あたり15tのグリーン水素生成可能だという。

【参照ページ】TOTAL WITHDRAWS FROM THE AMERICAN PETROLEUM INSTITUTE
【参照ページ】TOTAL AND ENGIE PARTNER TO DEVELOP FRANCE'S LARGEST SITE FOR THE PRODUCTION OF GREEN HYDROGEN FROM 100% RENEWABLE ELECTRICITY

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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