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【アメリカ】バイデン大統領、WHOやパリ協定への復帰、入国規制緩和等の大統領令に署名。各省庁に指示

 米民主党のジョー・バイデン元副大統領は1月20日、第46代大統領に就任した。すでに大統領選での勝利後から政権人事は概ね決まっており、今後、連邦議会での承認作業に入る。また同大統領は就任初日に、前トランプ政権の政策を覆すための、15本の大統領令に署名することが決まっている。

WHOへの再加盟

 前政権が中極寄りと批判し、2020年に脱退を表明した世界保健機関(WHO)への再加盟手続に入る。バイデンは国連協調路線を採る。

マスク着用義務化

 新型コロナウイルス・パンデミックの拡大を防止するため、連邦政府職員及び契約職員、連邦政府建物内、連邦政府敷地内でのマスク着用を義務化する。今後、米国民にもマスク着用を義務化していく方針。

パリ協定への復帰

 前政権が就任後に脱退を表明したパリ協定への再加盟手続に入る。加盟申請から30日後に加盟が認められる。

入国規制緩和

 イスラム教徒の多いイラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメン、スーダン、イラクの7ヶ国からの入国を禁止する措置の撤回。同措置は、2018年に米連邦最高裁判所でも合憲判断が出ていたが、法的に同措置を解除する。

メキシコ間の壁建設の中止

 前政権は壁建設の費用はメキシコ側が負担すべきと主張していたが、2018年に国防総省が予算の一部150億米ドルを壁建設に回すと宣言したが、この壁建設に向けた契約をキャンセルする。今後キャンセル手数料の内容等を精査する。米連邦最高裁判所では2月22日から国防総省が勝手に予算の使途を変更したことの合憲性に関する審議を始めることも決まっている。

若年移民に対する国外強制退去の延期措置の再開

 若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)は2012年に導入されたが、前政権が2017年に停止。その後、連邦最高裁判所も法的手続きに基づかない停止は違憲と判断していたが、前政権は再開しないままだった。現在70万人の若年移民に影響が出ている。今回の大統領令では、DACAの対象者に恒久的な法的地位を与える立法を連邦議会に要求する。

違法な強制送還の禁止

 前政権で強制送還の優先対象に指定された人は1,100万人。国土安全保障省に再度チェックを命ずるが、詳細は今後詰める。

国勢調査の再集計

 大統領選挙での各州の選挙人数割り算出の基となる10年に一度の国勢調査では、2020年の調査で移民等のデータがカウントされず、移民の多い民主党州に不利となる違法な操作が行われたが、カウントを再集計する。

移民へのグリーンカード発出

 2021年1月1日前に米国内にいる不法移民も含む全移民に対しグリーンカードを発出できる道を作る立法手続を指示。影響を受ける人は1,100万人。DACAの対象者は入国8年後、暫定保護難民は入国3年後に発出できるようにする。中米移民に対しても、国外でのグリーンカード受け取りを待機している人に対しての支援措置も講ずる。

学生ローン

 新型コロナウイルス・パンデミックによる経済難を考慮し、連邦政府の学生ローンを活用している学生の返済の猶予措置を当初予定の1月31日から9月30日にまで実施機関を延長。支払免除までは今回は含まず、連邦議会からの立法手続を待つ。

住宅差押え停止

 住宅の差押えや立ち退きの履行は3月31日まで延期。現在、住宅ローンの返済遅延が12%、家賃支払遅延が19%発生。

その他

 キーストーンXLパイプライン建設許可の撤回、北極圏国立野生生物保護区での石油・ガス採掘のための土地リース許可の撤回、自動車の燃費規制の緩和の撤回等。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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