英シンクタンクのエンバーと、独シンクタンクのアゴラ・エネルギーウェンデは1月25日、EU27ヶ国の2020年の発電量の電源構成集計結果を発表。EU史上初めて、化石燃料火力発電の発電量を再生可能エネルギー発電量が上回った。中国でも2020年に再生可能エネルギーの設備容量が大幅に増えた。
エンバー(旧サンドバッグ)は、毎年同様の統計を発表しており、今年で5年目。新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、化石燃料火力発電が大きく低迷するとともに、再生可能エネルギー発電が大きく伸長した。2010年からの推移では、化石燃料火力発電は、49%から10年間で37%弱にまで低下。一方再生可能エネルギー発電は、22%から38%にまで増えた。この再生可能エネルギーには水力も含む。特に風力発電が20%と再生可能エネルギーの半分以上を占めている。国別では、ドイツとスペインが、初めて再生可能エネルギー発電量が、化石燃料火力発電量を上回った。
(出所)Ember
EU27ヶ国では、先進国ほど再生可能エネルギー発電の導入が進んでおり、デンマーク、ドイツ、スペイン、ポルトガル、アイルランド等が上位。一方、旧東欧諸国のスロバキア、チョコ、ハンガリー、ブルガリア等は導入がまだ進んでいない。それでも27ヶ国全体での今回の結果は、再生可能エネルギー推進派を大きく勇気づける内容となっている。
一方、中国国家エネルギー局によると、中国では、2020年に再生可能エネルギーの設備容量が大幅に増えた。電源別では、風力72GW(前年比34.6%増)、太陽光49GW(同24.1%増)、水力12GW(同3.4%増)で、全体で134GWの増加。それに対し火力発電は56GW、原子力発電1GWの増加だった。
【参照ページ】EU Power Sector in 2020
【参照ページ】国家能源局发布2020年全国电力工业统计数据
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