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【アメリカ】ハネウェルUOP、全米最大年間165万tのCCSプロジェクト開始。ヴァレロは500万tを計画

 米エネルギーWabash Valley Resourcesは4月12日、ブルー水素生産のためのCCS(炭素回収・貯留)プロジェクトで、重工業世界大手ハネウェルの石油精製子会社ハネウェルUOPを開発事業者に選定したと発表した。CCS(炭素回収・貯留)プロジェクトの規模は米国最大規模となる見込み。

 ハネウェルUOPは今回、Wabash Valley ResourcesへCCS技術を提供し、米インディアナ州ウェストテレホートのガス化プラントで、ブルー水素を生成する。同プラントは、Wabash Valley Resourcesが2016年に購入し、現在、ブルー水素生産工場への転換を進めている。CCUにより、二酸化炭素を年間165万t削減できるという。米エネルギー省(DOE)からも助成対象に選定された。

 ハネウェルUOPが持つガス改質技術「Ortloff CO2」は、合成ガスから二酸化炭素を80%取り除いた後に、圧力変動吸着法(PSA法)で残存合成ガスから純度の高い液体二酸化炭素を生成し、副生物として水素を得る。回収した二酸化炭素は液体状態のため、扱いが容易であり、運搬後、地下に貯留する。同社が持つ「Polybed PSA」技術では、エチレンやメタノールのオフ・ガスや、部分酸化合成ガスも原料にできる。また、酸性ガス除去や脱水・脱硫技術の「MOLSIV」の技術ライセンスも提供する。

 米エネルギー省の水素計画では、燃料電池および水素エネルギー協会(FCHEA)の調査を基に、水素経済が、2030年までに年間1,400億米ドル(約15兆円)の市場規模となり、雇用70万人分を創出すると予測。2050年までには、年間7,500億米ドル(約81兆円)の市場規模となり、雇用340万人分を創出すると見込んでいる。

 米国では3月16日に、ヴァレロ・エナジーと、ブラックロックの「グローバル・エナジー&パワー・インフラストラクチャーファンド3号」が、Navigator Energy Servicesと協働し、中西部に大規模なCCSプラントを建設することも発表済み。総長1,200マイル(約1,920km)のパイプラインを中西部のネブラスカ州、アイオワ州、サウスダコタ州、ミネソタ州、イリノイ州の5州に跨って敷設し、年間500万tの液体二酸化炭素排出量をイリノイ州南部の貯留施設に輸送。そこで貯留するというもの。協力企業が増えれば、処理能力を年間800万tにまで拡大することも検討している。操業開始は2024年を後半を予定。

【参照ページ】Honeywell Technology Enables Large U.S. Carbon Capture And Storage Project
【参照ページ】Valero and BlackRock Partner with Navigator to Announce Large-Scale Carbon Capture and Storage Project

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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