インパクト投資推進の国際イニシアチブGlobal Impact Investing Network(GIIN)は6月4日、上場株式投資向けのインパクト投資の動向を分析したレポートを発表した。GIINは2019年に上場株式ワーキンググループを発足し、2020年にはアンケート調査を実施。今回初のレポートをまとめた。
同ワーキンググループのメンバーは、ブラックロック、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、UBSグローバル・アセット・マネジメント、M&Gインベストメンツ、Robeco、マーサー、欧州復興開発銀行(EBRD)、米州開発銀行(IDB)、MN、ヌビーン等。日本からは三菱UFJ信託銀行と社会変革推進財団(SIIF)が参加している。
インパクト投資は、過去10年間で非公開企業への投資で大きく伸長してきたが、昨今では上場企業投資でもインパクト投資を検討する動きが強まってきている。従来、ESG投資は、投資リスクと機会に焦点を当ててきたが、インパクトまでを含める動きは比較的新しい。そのため課題も多い。今回のレポートは、上場株式インパクト投資の実務動向を分析した。
現在、上場株式インパクト投資では、戦略の定義、ポートフォリオ選択プロセス、パフォーマンス測定、エンゲージメント戦略の4つの領域で、何らかの新たな試みがみられる。しかし4領域全てで従来のESG投資とは大きく違うファンドは見いだせなかったという。また、従来からのESG投資と、インパクト投資を判別するためには、投資プロセスにインパクト視点がどこまで入っているかが重要との見方を示した。
インパク投資プロセスの出発点としては、投資戦略にインパクト目的を盛り込む点と、関連KPIとデータを投資プロセスに組み込む点があると整理。また、プライベートエクイティや不動産アセットへの投資と比べ、運用担当者個々人の影響は小さく、ファンドの単位で集団的に与えるインパクトを測定するものになるだろうという分析も行った。
【参照ページ】Impact Investing in Listed Equities | Strategies for Pursuing Impact
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