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【中国】政府、法治強化のための施策発表。デジタル政府化と外資系企業の規制強化等

 中国共産党中央委員会と国務院は8月11日、「法治政府建設の実施要項(2021年-2025年)」を発表。2025年までに中央集権型の行政権の執行・監督を強化する計画を固めた。2035年までに法の下で、中央政府、地方政府、社会のヒエラルキー構造を完成させるという。

 行政手続きでは、オンラインでの一括申請体制に完全に移行し、出願、登録、手続、相談等をワンストップで貫徹できるようにする。そのためにも、インターネット、ビッグデータ、AI等の技術を駆使して法に基づく行政を推進。地方レベルでも、省(自治区、直轄市含む)から村レベルまでで、オンライン政府サービスを完全に確立する。デジタル化でも、モバイル端末で行政サービスが完結するところまでを目指す。

 政府保有データに関しては、ビジネスコラボレーションを促進。政府データシステムの最適化と統合を実現するため、全国統一政府ビッグデータシステムも構築する。ID認証、電子印鑑、電子証明書も積極導入。最終的には、機密情報やプライバシーを保護しながら、オープンガバメント構想を実現させる。

 事業許認可に関しては、事前承認制から事後監督制へと大幅に軸足を移すとともに、事後監督では、中国政府が進める「双随機、一公開」方針と、「インターネットでの監督」の2つを柱とする。「双随機、一公開」は、捜査対象と、捜査結果公表の2つをランダムに実施し、サンプリング調査・公表することで、全体を統制しようというもの。インターネットでの監督では、遠隔監視、モバイル監視、早期警告、予防と制御を特徴とするオフサイト監視の導入を検討する。

 事業環境では、外資系企業への内国民待遇を確保するとともに排除企業を指定するネガティブリスト運営の改善や、独占禁止法と不正競争防止法の執行強化を掲げた。重要分野では、国家安全保障、科学技術イノベーション、公衆衛生、文化・教育、民族・宗教、バイオセキュリティ、環境、リスク防止、独占禁止、外国人関連の法治等を挙げ、法規制の強化を指示した。

 また、同実施要項では、立法や行政、司法の在り方にも改革ポイントを掲げた。立法では、立法時の事前評価体制と、立法上のリスク防止のための仕組を確立。立法過程では、新しいメディアやテクノロジーを積極的に活用し、立法への市民参加のチャンネルを広げ、立法聴聞会や世論調査の仕組みを改善するとした。

 行政では、複数の政府や政策の効果が相殺されるのを防ぐために、行政の規範となる文書の策定のための調整メカニズムを確立し、改善する。さらに行政での決定事項では、決定権者をトラッキングする仕組も構築し、決定後の結果に対して事後評価できるようにする。

 立法と行政では、実務担当者の能力開発にも言及。年2回以上の法治テーマ研修の実施や、市・郡以上の政府の部門長は年1回の座学研修の実施も義務付けた。さらに行政官に対しては、年60時以上の実務知識と法律知識の学習も義務付けた。

【参照ページ】中共中央 国务院印发《法治政府建设实施纲要(2021-2025年)》

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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