世界経済フォーラム(WEF)と米コンサルティング大手オリバー・ワイマンは10月14日、2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を達成するための技術開発に向けた資金需給ギャップを埋めるためのレポートを発表した。
同レポートでは、作成に当たり、50以上の金融機関や公的機関から意見を収集。特に、Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)、Net-Zero Asset Managers(NZAM)、Net-Zero Banking Alliance(NZBA)、Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)等にヒアリングを実施した。
国際エネルギー機関(IEA)が発表した「Net Zero by 2050」シナリオでは、2050年までのカーボンニュートラルの必要な施策に関し、行動変動に伴うものは5%未満にとどまり、その他はテクノロジーによるものと見通されている。特に、2030年までの施策では、すでに商業利用できるテクノロジーで約8割の削減が可能だが、2050年には今後新たに開発されるテクノロジーが45%を占め、技術開発を進めるためのファイナンスが今後重要な鍵を握ることとなる。
(出所)WEF
その中でも特に、グリーン水素、グリーンアンモニア、持続可能なジェット燃料(SAF)、炭素回収・貯留(CCS)、バイオ燃料、水素還元方式製鉄、熱源の電化等のイノベーションは重要となってきている。
IEAの見立てでは、脱炭素化技術開発への投資は、2020年には1.4兆米ドルだが、2030年には4.3兆米ドルへと3倍にまで増加する。一方、革新的イノベーション分野への投資額は2020年には1,600億米ドルで、2030年でも2,350億米ドルにとどまる。実際には5,000億米ドル近くの投資が必要で、大きなギャップがある。
今回、同レポートでは、革新的な技術ソリューションを早期に導入した企業に報いるインセンティブ制度や、革新的なソリューションに特有の投資リスクを軽減するリスク軽減制度が必要と提言。そのための政策オプションを提示した。
(出所)WEF
【参照ページ】Critical Decarbonization Technologies Need at Least “10x” Investment to Hit Zero Emission Targets
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