経済産業省は7月19日、「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(CGSガイドライン)の改訂版を発表した。取締役会議長、指名委員会、報酬委員会、社外取締役に関する内容が厳しくなった。今回の改訂は、金融庁が2021年6月に発表した「改訂コーポレートガバナンス・コード」の内容も踏まえるとともに、2021年11月からコーポレート・ガバナンス・システム(CGS)研究会(第3期)の検討内容を反映させたもの。
【参考】【日本】東証、改訂コーポレートガバナンス・コードを発表。金融庁は対話ガイダンス改訂版発表(2021年6月12日)
【参考】【日本】経済産業省、コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針の改訂版公表(2018年10月3日)
今回の改訂では、ガバナンスに関し、取締役会の「監督」機能だけでなく、執行側の経営マネジメントの在り方に大きな力点を置いたことが特徴。社外取締役が増え、取締役会の機能が、個々の具体的な業務執行の決定ではなく、執行側が作成した経営の基本方針や戦略の監督と、同方針に照らして、指名・報酬の決定を通じたパフォーマンス評価が中核となると指摘した。そのため、取締役から経営陣への大幅な権限移譲を前提とした進め方を提示した。
また、監査等委員会設置会社に関しても、業務執行のスピードを上げるため、会社法に基づき、重要な業務執行の決定を取締役に委任することを推奨。投資家株主から取締役を選任する際の視点も追記した。
社外取締役に関しても、個々の社外取締役に適合した研修機会の提供・斡旋や費用の支援を能動的に行うべきとし、社外取締役の能力向上も取締役会の責務とした。さらに、社外取締役の資質を社会全体の公益とするため、複数の企業の社外取締役に就くことを制限すべきでないとした。
今回、指名委員会・報酬委員会及び後継者計画に関する内容は、「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画活用に関する指針-コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)別冊-」として策定。別紙から別冊の扱いへと変更となった。
【参照ページ】「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」を改訂しました
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