英小売大手テスコ、英小売大手セインズベリー、英小売大手ウェイトローズの3社は8月2日、森林破壊や農地転換を伴わない(DCF)大豆栽培を行うブラジル農家への新たな融資ファシリティ「Responsible Commodities Facility」(RCF)」に1,100万米ドル(約15億円)を投じると発表した。
RCFは、環境インパクト投資専業Sustainable Investment Management(SIM)が2019年7月に発足。ウィーン証券取引所に登録され、ブラジルと持続可能な大豆生産を資金使途とする世界初のドル建てのグリーンボンド(CRA;Certificates of Receivables from the Agribusiness)。
【参考】【ブラジル】大豆の持続可能な生産を目的とするグリーンボンドが誕生。UNEPと英政府も支援(2019年7月8日)
同ファシリティでは、ブラジル・カンポセラードの農場36ヵ所に融資。森林破壊や農地転換を伴わない大豆を年間7.5万tを生産し、約110km2の自生植物を保護する。同面積は、法定保護面積を42km2上回る規模。森林破壊が深刻化するブラジルのカンポ・セラード地域での森林破壊ゼロを宣言する「Cerrado Manifesto(セラード・マニフェスト)」や、英国大豆マニフェスト等を補完する。
同ファシリティの運営は、世界経済フォーラム(WEF)、国連環境計画(UNEP)、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、熱帯森林同盟(Tropical Forest Alliance )が2021年11月に発足したイニシアチブ「アマゾン、セラード、チャコのための革新的金融(IFACC)」が担当する。
【参考】【南米】世界経済フォーラム等、大豆・畜牛と森林保全で、IFACCイニシアチブ発足。8社加盟(2021年11月5日)
また環境マネジメントに関しては、独立環境委員会からフィードバックを実施予定。同委員会には、国連環境計画(UNEP)、世界自然保護基金(WWF)、コンサベーション・インターナショナル(CI)、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、アマゾン環境研究所(IPAM)、BVRio、Proforest等が参画する。
RCFはまず、森林破壊と生物多様性の損失が懸念される同国マトピバ、ゴイアス、マットグロッソで、12ヵ月間の実証プロジェクトを展開。最初の実証プロジェクトでは、スイス高級チョコレート製造バリーカレボーが資金を提供する。実証プロジェクト完了後は、ブラジル全土の農場へ対象を拡大する。
【参照ページ】Zero-deforestation soy initiative underway with major UK supermarket backing
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら