日本製鉄は8月18日、東日本製鉄所君津地区で6月後半から7月前半まで排水口から排水基準を超過するシアンが複数回流出していた問題で、社内調査の結果、過去3年間に複数の報告漏れがあったとことを明らかにした。社内で把握していたにもかかわらず、地元自治体に通知していなかった。
今回の事案は、まず、6月後半にコークス炉で発生したガスの洗浄で生じる脱硫液のタンクから、脱硫液に含有される主な成分はチオシアン酸アンモニウム等のアンモニア化合物が3度漏出。また、6月30日と7月1日には、高炉の集塵関連設備の排水ルートからも流出が発生。取水サンプル調査を実施した結果、排水基準を超えるシアンやT-Nが流出していた。
同社は、君津地区での事態を重く受け止め、過去5年分の水質測定データと、過去3年間に千葉県、木更津市、君津市および富津市との間で締結された環境の保全に関する協定に定める全排水溝の水質測定データ、及びその他当社が分析会社に発注した水質測定データを内部調査。その結果、複数の報告漏れが発覚した。基準値を超えるシアンは39回検出されていた。
同社は、今後の対応として、水質測定で基準値オーバーが認められた場合、分析会社から直接、保安センター(製鉄所の直営組織から独立した事故発生時等の対応組織)経由で関係行政機関へ自動的に通報を行うルール変更を決定。さらに、水質測定の発注・報告に関し、同社の環境管理部門が、工場を経由せず、直接分析会社に発注し、報告を受ける業務フローに変更することも決めた。
報告を受けた千葉県は同日、立入検査を実施し、事実関係の確認等を行っていく予定と発表した。
【参照ページ】東日本製鉄所君津地区における水質測定データの不適切な取り扱いについて
【参照ページ】東日本製鉄所君津地区における着色水の構外への流出について
【参照ページ】東日本製鉄所君津地区における排水基準超過事案の発生について
【参照ページ】東日本製鉄所君津地区における排水基準超過事案について
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