米財務省外国資産管理局(OFAC)は9月9日、主要国によるロシア経済制裁の一環として発動するロシア産石油関連製品の上限価格設定に関し、実務上の手続き事前ガイダンスを公表した。上限価格を超える輸入は違法となる。
【参考】【国際】G7財相会合、ロシア産石油の上限価格設定で確認。最終的な国内市場からの締出しでも合意(2022年9月5日)
同ガイダンスでは、上限価格設定以下での取引実態の確認は、各サプライチェーン企業の責務とした。具体的には、通常の取引先へのデューデリジェンスの一環として、上限価格以下で取引されていることを確認できる証拠を取得し、自社としても記録していく。コモディティ・ブローカー等、直接石油関連製品の取引に関わる事業者も対象となる。記録は、請求書、契約書、領収書/買掛金の証明書等を活用してもよい。
直接、コモディティ取引に関わらない金融機関と保険会社にも責務を設定した。まず、通常の業務で顧客から価格情報を取得している金融機関に対しても、上限価格以下で取引されていることを確認できる証拠を取得し、自社としても記録すべきとした。顧客から価格情報を直接入手が現実的でない場合は、顧客が上限価格以下でロシア産原油関連製品を購入することを宣言する証明書の発行を要求すべきとした。
保険会社に対しても、毎年の保険契約更新手続や保険契約更新の際に、上限価格以下でロシア産原油関連製品を購入することを宣言する証明書の発行を要求すべきとした。その差異、個別の保険契約ではなく、年間契約の全期間をカバーする証明書を顧客から要求する形でも可とした。
OFACは、証拠や証明書の取得を「セーフハーバー」ルールと関連付けて扱う考え。具体的には、上限価格を超えた価格での取引が発覚した場合でも、証拠や証明書を顧客から取得している場合は、責任に問われない。
【参照ページ】Preliminary Guidance on Implementation of a Maritime Services Policy and Related Price Exception for Seaborne Russian Oil
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