国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が運営する国連責任銀行原則(PRB)は10月、金融の健全性と金融インクルージョンに関する目標設定ガイダンスの第2版を発行した。初版は2021年4月に発行。金融の健全性と金融インクルージョンでのPRB目標設定を行う銀行への指針となっている。
金融インクルージョンの分野では、2021年12月にPRBで「PRB金融健全性・インクルージョン・コミットメント」が発表され、31社が署名。署名機関は、署名後18ヶ月以内に目標設定が義務付けられており、さらに目標設定から18ヶ月以内に初年度報告を、その後毎年報告することも義務付けられている。具体的には、金融商品へのアクセスが不十分な層に対し、金融サービスが行き届くようにする行動が求められる。
【参考】【国際】PRB署名のうち28銀行、金融インクルージョンと顧客財務健全性で新たなコミット。日本ゼロ(2021年12月7日)
現在の署名機関は、BNPパリバ、ING、クレディ・ミューチュアル、ウニクレディト、BBVA、韓国産業銀行、タイ政府貯蓄銀行、サンコープ銀行等。新興国の金融機関が多い。そのうち24社がワーキンググループを形成している。
今回のガイダンスは、同ワーキンググループが目標設定の手法を固めたもの。まず、金融の健全性では、中小企業や個人にとって、日次の資金繰り、金融ショックへの対処、未来の資金ゴールへの達成、資金面での安心感の4つを確保することと定義。そのため、金融商品・サービスの適切な活用へのアクセス、アドバイザリーサービスの透明性、金融スキルの強化の3つのドライバーがあるとした。
また金融インクルージョンでは、貯蓄、融資、投資、保険、アドバイザリーサービスの責任ある提供を実現することにあり、特に銀行口座が持てない人々や中小企業にフォーカスを充てるべきとした。仮に銀行口座を持ててていても、サービスの実効性や価格面で実質的にアクセスが遮断されている場合は、克服課題とした。
その上で、具体的な課題の特定方法やKPIの設定手法を提示した。報告書作成では、Leigh Smythが支援した。
【参照ページ】Guidance on Financial Health & Inclusion Target Setting 2.0
【参照ページ】Financial Health & Inclusion Commitment
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