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【国際】IRENA、COP27でG7にグリーン水素戦略を提言。規格化、イノベーション、政策誘導等

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は11月16日、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)の場で、G7に対して世界のグリーン水素市場の活性化に関する提言をまとめた報告書を発表した。G7各国の戦略、技術、コスト等を含めた分析を行い、今後の展望と提言をまとめた。

 今回の発表は、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けG7に対する水素戦略を提言したもの。G7の水素需要は2020年に世界の需要の28%、約2,420万tだったが、そのほとんどがグレー水素だったと報告。一方、2050年までのG7における水素全体の需要は現在の最大7倍に増加すると予測した。

 同報告書では、同国ごとに分析結果と提言をまとめ、G7全体で水素の認証規格、技術、政策、コミュニケーションで協力し、脱炭素が困難なセクターでグリーン水素を利用すべきだと訴え、具体的な5つの柱を設定し提言した。

 1つ目は、水素認証規格のリード。G7が国際水素燃料電池パートナーシップ(IPHE)、国際標準化機構(ISO)と連携し、水素製造に伴う二酸化炭素排出量を算出する手法の確立を進める必要があるとした。次に、知見の共有。G7は他国よりも先んじて水素セクターにおいて具体的な政策を展開しており、水素と燃料電池に関する公的研究開発予算の90%、水素技術の国際発明の73%をG7が占めている。水素技術に関する知見と技術を世界に展開することが世界のカーボンニュートラル化を加速させるとした。

 3つ目は、供給と需要のバランス。水素の供給側だけではなく、需要を創出しなければ、生産リスクが高まりリターンが限定的になる。カーボンニュートラル化が難しい航空、海運、鉄鋼等のセクターの大規模な需要を創出することが必要とした。

 4つ目は、水素の産業化の促進。現状ではグリーン水素はグレー水素と比較してコストが高く、今後のイノベーションを促した。新産業として確立させるための政策推進、イノベーションを生み出すための支援が必要とした。

 最後に、市民への啓蒙活動。水素のような新しい分野に関する政策や投資の正当性を主張し、市民に理解してもらう必要が出てくる。水素に関する統一メッセージの採用による認知度向上などを行い、社会全体で関心を持つ環境作りが重要とした。

 【参照ページ】Net Zero Pledges in G7 to Drive Up Global Hydrogen Demand by Up to 7 Times

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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