国連食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、国際獣疫事務局(WOAH)は7月12日、鳥インフルエンザが人に感染するリスクが高まっていると発表。ワンヘルス・アプローチに基づく対応を呼びかけた。
広東省の飼育ガチョウから発生するH5N1型の鳥インフルエンザウイルスは、1996年に初めて出現。2020年以降、H5クレード2.3.4.4bに属するウイルスの亜種が、アフリカ、アジア、欧州の多くの国々で、野鳥や家禽のかつてない数の死亡をもたらした。2021年には北米に、2022年には中南米にウイルスが広がっている。
今回の発表によると、通常鳥類の間で感染しているH5N1型の鳥インフルエンザ・ウイルスが、哺乳類の間で検出される数が増えてきており、今後、ヒトに感染しやすいようにウイルスが適応していくリスクが高まっているとした。
2022年には、5大陸の67カ国からWOAHに対し、H5N1高病原性鳥インフルエンザの発生報告があった。影響を受けた飼育場や農村では、1億3,100万羽以上の家禽が死亡もしくは殺処分された。2023年には、すでに米大陸を中心に14カ国から発生報告があった。
哺乳類への感染では、2022年以降、3大陸10カ国からアウトブレイクがWOAHに報告されているが、WHOAは報告を受けていない国もあるとみている。具体的には、スペインの養殖ミンク、米国のアザラシ、ペルーとチリのアシカ等、26種以上で感染が確認された。H5N1型は、猫や犬等の家畜からも検出されている。
ヒトへの感染では、散発的なインフルエンザA(H5N1型)クレード2.3.4.4bウイルスの検出は、2021年12月以降に報告が8例にとどまっている。但し、ヒトに感染すると、死亡率の高い重篤な疾患を引き起こす可能性がある。
WHOは今回、一部の哺乳類は、鳥インフルエンザ・ウイルスが混合する場としても機能しており、動物や人間にとって感染率や致死率の高い新型ウイルスの出現につながる可能性もあるとした。
【参照ページ】Ongoing avian influenza outbreaks in animals pose risk to humans
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