国際エネルギー機関(IEA)は1月24日、電力見通しの年次報告書「電力2024」を発行した。2026年までに電力セクターでの需要、供給、二酸化炭素排出量を予測した。
同報告書は、2023年の世界の電力需要は、先進国では減少したものの、中国、インド、東南アジア諸国等での需要増が大きく全体では2.2%増となった。さらに2026年に向けては平均3.4%と増加速度が上昇する見通し。
(出所)IEA
さらに2026年に向けて、先進国でもITセクターでの電力需要が大幅に増えていく模様。データセンター、暗号資産(仮想通貨)、AIの電力需要は2022年には460TWhとなり、世界電力需要全体の2%を占めていたが、2026年までに620TWhから1,050TWhまでの間に上昇し、現状から約2倍まで膨らむと予測した。IEAは従来2026年の当該3分野の電力需要は800TWhと見立てていたが、上方修正した形。需要の内訳は、データセンターでのデータ処理が40%、冷却用設備が40%、他のIT設備が20%。
電力供給では、太陽光発電、風力発電、水力発電、原子力発電等の比率が2023年の40%から2026年には約50%にまで上昇すると見立てた。特に、再生可能エネルギーは、2025年初頭までに総発電量の3分の1以上を占め、石炭を追い越していく。世界の発電量に占める化石燃料のシェアが、50年以上前のIEAの統計開始以来、初めて60%を下回るラインも見えてきた。
【参照ページ】Clean sources of generation are set to cover all of the world’s additional electricity demand over the next three years
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