
欧州委員会は7月1日、デジタル市場法(DMA)に基づき、米メタ・プラットフォームズに対し、予備調査結果を通知した。同社が運営アプリでの広告ビジネス上行っているユーザー個人情報の「有料か同意か」モデルが同法に反しているとの予備的見解を示した。アップル、アルファベット、メタ・プラットフォームズ3社に対する正式調査で、メタ・プラットフォームズが予備的見解発出第2号となった。
【参考】【EU】欧州委、アルファベット、アップル、メタの正式調査開始。DMA違反疑い。罰金最大売上10%(2024年3月26日)
【参考】【EU】欧州委、アップルにデジタル市場法違反の予備的見解。反論機会を経て、正式判断へ(2024年6月25日)
予備的見解とは、予備的調査結果を対象企業に通知し、対象企業に反論の機会を与えるもの。予備的見解の内容を欧州委員会が最終的に承認し、デジタル市場法違反が確認されると、欧州委員会は2024年3月25日の正式調査開始から12ヶ月以内に、デジタル市場法違反を正式に採択することができる。違反時の制裁金は、当該企業のグローバル売上の最大10%、違反が継続された場合には最大20%。
DMAは、同法上のゲートキーパーに指定されている事業者は、指定されたコア・プラットフォーム・サービスと他のサービスとの間で個人データを組み合わせることについてユーザーの同意を求めなければならず、ユーザーがそのような同意を拒否した場合、ユーザーは、よりパーソナライズされていないが同等の代替サービスを利用できるようにしなければならないと規定している。そのため、ゲートキーパーは、ユーザーの同意を条件として、サービスや特定の機能を利用することはできなくなっている。
今回の事案は、同社が2023年11月、DMA上の対応として、フェイスブックとインスタグラムのEUユーザーが、「広告のないバージョンに月額料金で加入する」か「パーソナライズされた広告のあるバージョンに無料でアクセスするか」の選択を迫る「有料か同意か」という二者択一のオファーを導入したことが争点となっている。
欧州委員会は今回、個人情報の利用は少ないが、それ以外は「パーソナライズド広告」ベースのサービスと同等のサービスをユーザー選択することができず、個人情報の提供に自由に同意する権利を行使できない状況になっていると判断した。その上で、個人情報の共有に同意しないユーザーに対しても、広告のパーソナライゼーションのために、より少ない個人データを使用する同等のサービスを利用できるようにすべきとした。
【参照ページ】Commission sends preliminary findings to Meta over its “Pay or Consent” model for breach of the Digital Markets Act
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