シリコンバレーでは、企業が賃金格差の解消に取り組む動きが活発化している。フェイスブックは5月12日、米国でフェイスブックの運営に関わる契約社員、派遣社員らに対して最低賃金を引き上げ、新たな福利厚生基準を適用すると発表した。
新基準のもとでは、関係者の最低賃金は時給15米ドル(約1,800円)となり、休暇や病休のために最低15日の有給を付与するほか、有給育児休暇を利用しない人々には子供一人につき40万米ドルの子ども手当を支給するとのことだ。フェイスブックのCOOを務めるSheryl Sandberg氏は、この新基準により男女ともに育児休暇が利用しやすくなり、家族の絆づくりや心身ともに健康な子供の育成につながるとしている。
この基準は5月1日に施行されており、現在すでにシリコンバレーにあるメンロパーク本社で働く一部のサポートチームで適用されているとのことだ。また、今後1年以内に同様の取り組みをより幅広いベンダーにも広げていく予定だという。この福利厚生を受けられる対象は、実質的にフェイスブックのサポートをしている労働者、もしくは同じくフェイスブックのサポートを行っている25名以上の従業員がいる米国国内の会社で雇用されている労働者となっている。
フェイスブックは、同社の事業の関わる全ての人々に対して安心かつ安全で公平な職場環境を提供することにコミットしており、今回の新基準はその具現化に向けた重要な一歩となる。この取り組みについて、Sandberg氏は特に女性に対する好影響を強調している。米国では最低賃金で働く3分の2を女性労働者が占めており、今回のような賃金調整は女性に対して大きなインパクトをもたらすためだ。また、十分な賃金と福利厚生によって労働者の幸福度を高め、企業としての生産性向上につなげる狙いもある。
今回のフェイスブックの最低賃金引き上げはウォルマートやマクドナルドなど米大手小売チェーンに続く動きとなる。また、シリコンバレーではフェイスブックやアップル、イーベイなど向けに運行しているシャトルバスの運転手らが労働組合の組織化を決定、アップルは3月に同社運転手の賃金を25%上げることで合意するなど、賃金格差の解消に向けた動きが活発化している。
【参照リリース】Improved Benefits for Facebook Contractors
(※写真提供:Katherine Welles / Shutterstock.com)
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