米IT大手のデルは6月22日、同社のサステナビリティプラン、"2020 Legacy of Good Plan"および環境、地域社会、従業員を支援する21の目標に向けた取り組みの進捗報告を公表した。デルは自社のテクノロジーや専門性を人々や地球に対して最大限に貢献できる領域へと投じるという長期のコミットメントを掲げてきた。
同社は今や世界最大のテクノロジーリサイクル企業として、世界78ヶ国で電子機器回収プログラムを展開している。2008年度以降、総重量14億ポンド以上の使用済み電子機器をリサイクル回収した。デルは2020年までに20億ポンド分のリサイクル回収を目指しているが、2015年度までに達成値は71%以上に到達した。
また、今年度は初となるUL Environment認証の循環型PCを発売するなど、循環型リサイクル・プラスチックを利用したディスプレイやデスクトップの展開も積極的に進め、2014年度以降だけでも2190万ポンド以上のリサイクル・プラスチックを製品に使用した。
さらに、デルは持続可能なパッケージ革新の取り組みとして2020年までに廃棄物ゼロのパッケージを実現するという目標を掲げているが、製品のパッケージを従来の段ボールパッケージからリサイクル可能な代替素材に切り替えるなどして、2009年以降、3100万ポンド以上のパッケージ利用を削減、5300万米ドルのコスト削減に成功した。
デルのCSR担当副社長を務めるTrisa Thompson氏は「デルは自社のグローバルビジネスの生態系を通じ、社会を良くするために我々が生み出した技術を活用するという取り組みにおいて多大な進展を実現した。我々は事業活動におけるポジティブな変化を創出、喚起するために、今後もこの取り組みを続け、成果を共有していくつもりだ」と語る。
地域社会への取り組みとしては、難病医療支援を展開するNGOと連携し、治療の意思決定に必要な時間を8週間から2日へと削減できるHPC(高性能コンピューティング)ソリューションの提供などを通じて小児癌ケアの研究を支援している。また、他にもクラウド上に仮想の協業空間を構築し、医者と研究者に情報をタイムリーに提供、迅速な診断と処置を可能にするKIDSクラウド・イニシアチブの取り組みや、南アフリカにおける太陽光発電ラボの建設など、幅広く地域コミュニティ支援活動を展開している。
従業員に対する取り組みも積極的で、社内における多様性の文化の浸透、深化に力を入れている。2014年にははじめてデルの管理職の47名がMARC(Men Advocating Real Change:多様性推進役として男性リーダーのポテンシャルを引き出し、職場における男女平等を実現するためのイニシアチブ)に参加した。
急速なデジタル化や新興市場の拡大などにより世界中で電子廃棄物の問題が深刻化している昨今において、テクノロジー業界におけるリサイクルのリーディングカンパニーとして循環型の電子機器ビジネスモデルの構築を進めているデルの取り組みには光るものがある。また、環境だけではなく地域社会、従業員向けた取り組みも順調に進展しており、”2020 Legacy of Good Plan”の実現に向けて更なる進化を期待したい。
【参考サイト】2020 Legacy of Good Plan
【参照リリース】Dell Reports Progress on 2020 Legacy of Good Plan, Including Environmental, Community Engagement and Diversity Initiatives
【企業サイト】Dell
(※写真提供:ymgerman / Shutterstock.com)
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