資源世界大手豪BHPは3月8日、中国国有鉄鋼大手の河北鋼鉄集団(HBISグループ)との間で、二酸化炭素排出量削減に向けた調査のための覚書(MOU)を締結。今後3年間で1,500万米ドル(約16億円)投じると発表した。
BHPは2020年11月、中国国営製鉄の宝鋼集団との間で、二酸化炭素排出量削減に向け、5年間で3,500万米ドル(約37億円) の共同投資と技術共有を行うとする覚書を締結。2021年2月には、JFEスチールとの間で、豪州鉄鉱石を活用し、高炉法や直接還元鉄(DRI)製造、原料処理技術を含めた低炭素製鉄技術の開発推進のための覚書(MOU)を締結している。
【参考】【中国】BHPと宝鋼集団、CO2削減に向け協働。5年間37億円投資、CCUS調査も推進(2020年11月11日)
【参考】【オーストラリア】BHPとJFEスチール、製鉄の低炭素技術開発で覚書。中国・宝鋼集団に続く(2021年2月19日)
今回のパートナーシップでは、水素を活用した二酸化炭素排出量削減技術、鉄鋼製造工程で副産物として発生する鉄鋼スラグのリサイクルと再利用、塊状鉱の活用等を調査。中国政府の2060年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)達成する目標を支援する。
今回発表の技術開発は、BHPが2019年から取り組む自社事業及び資源利用時の二酸化炭素排出量を削減するための技術開発プログラム「Climate Investment Program」の一環として行われる。BHPは「Climate Investment Program」に対し、4億米ドル(430億円)を投資すると表明している。
【参考】【イギリス・オーストラリア】BHP、気候変動対策に430億円投資。経営陣報酬とCO2削減も連動(2019年7月25日)
またBHPは、世界初のばら積み貨物船へのLNG供給契約を通じた二酸化炭素排出量削減も展開。豪クイーンズランド炭鉱や、同社ニッケル生産子会社ニッケル・ウエストに対する再生可能エネルギー供給契約等も行っている。
【参照ページ】BHP inks MoU with HBIS to mitigate emissions in the steel industry
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