住友化学は8月23日、アクリル樹脂(PMMA)のケミカルリサイクル実証設備を愛媛工場に建設すると発表した。2022年秋に実証試験に着手し、23年にサンプル提供を開始する予定。
同社は、日本製鋼所と協働し、アクリル樹脂を熱分解し、原料となる(メチルメタクリレート)MMAモノマーとして再生する独自の基本技術を確立。従来からのバージン品と同等の物性を実現した上で、二酸化炭素排出量を60%以上削減できるという。
使用する廃プラスチックは、水族館向け大型アクリルパネルで世界トップシェアの日プラから廃材を調達。今後は、廃棄される自動車や家電、飛沫防止板等からアクリルを回収し、安定的な原料調達システムの構築も検討する模様。
生産された再生アクリルは、自動車ランプカバーや、高速道路の遮音板等向けに販売するという。
ケミカルリサイクルでは、プラスチック素材を問わずリサイクルするフィードストック型が市場を席巻してきているが、同社はアクリルからアクリルをサイクルできるループを独自技術で進める。コスト競争力がつけば、需要が出てくる可能性がある。