
タイのラドクラオ・インタウォン・スワンキリ副政府報道官は1月19日、タイ南部のパンガー県にあるルアンキアット遺跡とバンエトゥ遺跡に大規模なリチウム鉱床が発見されたと発表。しかし1月20日、埋蔵されている鉱物資源はリチウムだけではない可能性があると訂正し、前言を撤回した。
1月19日の発表では、発見されたリチウム鉱床に、1,480万tのリチウム埋蔵量があると表明。事実であれば、タイが、ボリビア及びアルゼンチンに次いで世界第2位の大きなリチウム資源を持つこととなる。これまでリチウムは南米で多く発見されており、東南アジアでの大規模採掘の可能性に期待が集まり、多くのメディアが一斉に報じた。
しかし1月20日の発表では、前言を撤回。1,480万tの埋蔵量は、リチウムを含む鉱物資源であることを強調した。また1月19日の発表の元となったタイ工業省の報告書を参照し、同鉱区には「平均0.45%の酸化リチウムを含むレピドライトが含まれており、適切な採掘と精製を行えば、少なくとも50kWhの電気自動車100万台分のリチウムバッテリーの原料を生産できる」と言い直した。
今回の前言撤回を巡っては、1月19日の発表直後に、チュラロンコン大学のジェサダ・デンドゥアンボリパン講師が自身のフェイスブック上で1月19日に疑義を提起。1,480万tの鉱物資源から抽出できるリチウムの平均量は約6万6,600tにすぎないと投稿していた。
資源量66,600tだとすると、タイは、フィンランドの68,000tに次いで、世界22位となる。
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