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【アメリカ】Avery Dennison(エイブリィ・デニソン)社のCEOが語るサステナビリティ戦略

今回ご紹介するのは、粘着ラベル分野におけるグローバルリーディングカンパニー、Avery Dennison(エイブリィ・デニソン)社の会長兼CEO、Dean A. Scarborough氏が自社のサステナビリティについて語っている動画だ。

粘着用ラベルというとあまり馴染みがないと感じる方も多いかもしれないが、粘着機能がついた様々なオフィス用品やアパレル製品のタグ、シール切手、道路標識など、Avery Dennisonが提供する製品・ソリューションは我々の生活にも非常に密着している。同社は粘着ラベル技術・粘着剤ソリューション分野のリーディングカンパニーとしてAveryブランドのオフィス製品やFassonブランドの粘着剤製品などをはじめBtoC・BtoB双方の市場で幅広い分野の製品を開発、生産、販売している。

米国カルフォルニア州に本社を置き、日本を含む60ヶ国以上で30,000人以上の社員を雇用しており、2008年には約6,700億円の売上を誇るグローバルカンパニーで、フォーチュン500社にも選定されている。

同社は"To make brands more inspiring and the world more intelligent"という理念のもと、経営陣の強いリーダーシップでサステナビリティ戦略を事業オペレーション全体に組み込んでおり、理念を実現するための柱として下記3つの"P"を掲げている。

  • Planet:Social Responsibility(企業市民として模範を示し、従業員のダイバーシティや健康・安全を約束する。コミュニティ投資やボランティアプログラムを通じて生活の質向上やポジティブな変化を生み出す)
  • People:Environmental Responsibility(自社事業の環境負荷を減らし、持続可能な製品・ソリューションを提供することで顧客の環境負荷も減らし、顧客のブランド価値を高める)
  • Prosperity:Shareholder Value(サステナビリティを自社に組み込むことで競合優位性を生み出し、長期的な株主価値創造を実現する)

上記の通り、社会・環境・経済のトリプルボトムラインそれぞれに柱を置いており、いずれも明確な指針を持っている点が特徴的だが、その同社を率いているのが、会長兼CEOを務めるDean A. Scarborough氏だ。

インタビュー内の同氏の発言の中で特に印象的なのは、"Sustainability is simply another lens to look at our market and our customers and it's driving an amazing amount of innovation in our business and in our industry.(サステナビリティは、シンプルに言えば我々の市場や顧客を見るためのもう一つのレンズであり、我々の産業やビジネスに驚くほどのイノベーションをもたらしている)"という言葉だ。

サステナビリティの観点から自社の事業やオペレーションを見直すことが新たなイノベーションの創出をもたらし、ブランド力と競争力を高め、結果として利益を生み出すという同氏の考え方がはっきりと見て取れる。サステナビリティという新たな「レンズ」で企業活動に光を当ててみれば、そこには多くのリスクとチャンスが広がっていることが分かるのだ。

また、同氏は自ら従業員とともにブラジルの熱帯雨林へ足を運び、地元の原住民やローカルコミュニティと関係構築をしたときの体験を「これまでのビジネス出張のなかでもっとも刺激的な旅だった」と語っている。持続可能な形で森林資源を活用しながら長期的に生計を立てている彼らと接し、"I thought like I was talking to business people. they were capitalist(まるでビジネスマンと話しているようだった。彼らはキャピタリストだ)"と表現しているのも印象的だ。

同社では2011年に2015年までのサステナビリティ目標を定め、持続可能な原料調達や温室効果ガス15%削減、廃棄物15%削減など様々な目標を定めているが、企業がサステナビリティ目標を達成するためには、同氏のように実際に現場に足を運んで先住民と対話をするなど、CEO自らの行動力や熱意も欠かせない。

"I think that leading our markets and leading our industry for responsible sourcing, for innovative solutions that enables companies to produce products that are more recyclable or more sustainable is our future.(企業のより再生可能な、もしくは持続可能な製品づくりを可能にする責任ある調達や革新的なソリューションに向けて、我々の市場と業界を牽引していくことこそが、我々の未来だ。)"という言葉には、率先してサステナビリティ戦略を推進することで新たなイノベーションをもたらそうと考えている同氏の強い意思を感じる。

CEOのコミットメント次第で事業とサステナビリティは統合できると強く感じさせてくれる好事例だ。

【企業サイト】Avery Dennison
【サステナビリティページ】Sustainability

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