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【アメリカ】ビッグデータ解析で農業のサステナビリティ向上に取り組むIBM

今回ご紹介するのは、米国ジョージア州におけるIBMとThe Flint River Partnership、ジョージア大学によるビッグデータを活用した農業のサステナビリティ向上への取り組み。

The Flint River Partnershipは、Flint River Soil and Water Conservation District、米国農務省のNRCS(Natural Resources Conservation Service)、The Nature Conservancyによる、フリント川流域の農業における水保全のためのイニシアティブだ。

IBMは言わずと知れたグローバルITソリューションカンパニーだが、現在は特にビッグデータ解析ソリューションに力を入れている。2014年4月24日、IBMとThe Flint River Partnershipは、ジョージア大学の協力のもと、ジョージア州フリント川流域の農家に対して彼らの農業効率を20%改善できる革新的なシステムを提供するために提携すると発表した。

フリント川の下流はアメリカ南東部で最も生物多様性が豊かなエリアの一つで、ジョージア州の農業の中心地となっている。この地域では灌漑農業が中心だが、地域特有の水理地質学的な理由により、水の保全と節約が持続可能な農業を実現するうえで重要なテーマとなっている。

今回の取り組みでは、IBMのDeep Thunderという天気予測システムを活用することで、灌漑における水利用を節約しつつ収穫量を最大化し、農家の生産効率改善を目指す。

具体的には、GPS機能がついた農業機械と耕地に設置されたセンサーから生成されたビッグデータをDeep Thunderの天気予測技術と統合することで、農作業者は72時間後までの正確な天気予報や天候に関連するリアルタイムの土壌データをモバイル端末から24時間アクセスできるようになり、結果として先を見越した最適な灌漑スケジュールを決めることが可能になるという。

ビッグデータ解析によって様々な成長段階にある穀物がどれだけの水を必要としているのかを把握し、今後の天候変化も考慮しながら灌漑の最適なタイミングやエリアを決定することができるようになることで、灌漑用水を大幅に節約しつつ、穀物の収穫量を最大化することが可能になる。

当たり前のことではあるが、農業の生産効率は天候により大きく左右される。米国農務省によれば、農作物の収穫ロスのうち90%は天候によるものだと考えられ、米国ではその影響は年間約150億ドル相当にも達するという。

今回IBMが発表したFlint River Partnershipとの取り組みは、ビッグデータ解析という最新のビジネストレンドを農業分野に適用することでサステナビリティと生産効率の双方を向上させるという非常に先進的な取り組みだ。

将来の世界的な人口増加に向けて、安定的な食糧供給と持続可能な水利用が主要なサステナビリティ課題となっている中、農業分野の技術革新は今後ますます重要性を増していくと考えられる。ぜひ日本企業もこうしたサステナビリティとイノベーションが融合する領域で新たなビジネス機会を見つけたいところだ。

【企業サイト】IBM

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