米国最大手のチョコレートメーカー、The Hershey Company(ザ・ハーシー・カンパニー、以下ハーシー社)は8月6日、カカオ生産の近代化、カカオ農園の収入増加、そして地域社会の支援を目指して同社が取り組んでいるプログラム、Hershey Learn to Growの一環として、ガーナのカカオ産業を代表する政府系機関、ガーナ・ココボード(Ghana Cocoa Board)と共に、ガーナにおいて最も優れた3つのカカオ農園を選出した。
世界第2位のカカオ生産量を誇るガーナでカカオ産業を統括するガーナ・ココボードは、さらなるカカオの生産量増加および農園の収入増加に向けて同国におけるカカオ生産の近代化と、若者や女性のカカオ生産への誘致活動を最優先課題として取り組んでいる。そうした背景の中、今回は、National Best Cocoa Farmer for 2013(2013年度の国内最優秀カカオ農園)を受賞した農園に加え、若者、女性が運営する農園の3つが優良カカオ農園として選出された。
ガーナ・ココボードで副最高経営責任者であり農学・品質管理を担当するFrancis Oppong博士は「カカオ生産の近代化に励んでいる農園がハーシー社に認められるのは大変喜ばしいことだ。ハーシー社のプログラムにより、我々は消費者のより高品質でサステナブルなカカオ、そしてカカオ市場拡大へ期待をよりよく理解することができる」と語る。
9月には、今回認定された3つの農園の生産者らが米国にあるハーシー社のチョコレート工場見学に招待される予定となっており、農園の人々はそこで初めてチョコレートがどのように大規模生産されているのか、拡大し続ける世界のチョコレート市場を支えるために高品質なカカオを生産することがどれだけ重要なのかを目の当たりにすることになる。同社は最近、2億5千万ドルを投じてWest Hershey工場の拡張工事を行い、世界で最も巨大かつ最新技術を備えたチョコレート工場を誕生させたばかりだ。
ハーシー社でサプライチェーン責任者兼上級副社長を務めるTerry O’Day氏は「カカオ生産者の生活向上は我々のサステナビリティ戦略の核心部だ。そして、カカオ生産の発展を次世代へとつなげる役割を担う若者や女性の生産者の成果をココ・ボードが認めてくれるのは大変嬉しいことだ」と述べた。同社は21st Century Cocoa Sustainability Strategy(21世紀のカカオサステナビリティ戦略)を掲げてガーナおよび西アフリカ、そしてグローバル全体におけるチョコレート産業のサステナビリティ向上に取り組んでいる。
Hershey Lean to Growプログラムでは、カカオ生産者に対するトレーニングを実施し、そのトレーニング内容に基づいて生産されたカカオを認定する仕組みを提供しており、同社は2020年までにカカオ調達を100%を認定済カカオにすることを約束している。また、同プログラムではこの他にもGPSマッピングを利用してカカオ農園が収穫量を倍増させるための長期的なビジネスプラン構築を支援するなど、低コスト技術を活用した取り組みも実施されている。
なお、こうした一連の活動はWorld Cocoa Foundation(世界ココア基金)が推進するイニシアチブ「Cocoa Action(ココア・アクション)」とも連動している。ココア・アクションは、世界のカカオ生産者やチョコレート企業、政府との協力体制を強化し、西アフリカにおけるカカオ産業のサステナビリティを向上させることを目標とするイニシアチブで、ハーシー社は設立メンバーの一社だ。
チョコレート産業のサステナビリティをリードするハーシー社とガーナ政府による協力体制により、チョコレートのサプライチェーンの健全化は着実に進んでいる。
【企業サイト】The Hershey Company
【参考サイト】Ghana Cocoa Board / World Cocoa Foundation
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