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【イギリス】未来のサステナブルビジネスを形作る10のウェブトレンド

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 今や、先進国だけではなく新興国においてもインターネットやモバイル端末が急速に普及しつつあり、世界のインターネットユーザーは2014年時点で約29億人に到達した。インターネットの発展はこの20年で企業や消費者の行動を大きく変容させてきたが、今注目されているのは、それらのテクノロジーを活用してどのように社会を良い方向に変えていけるかという、サステナビリティ×ITの領域だ。

 Web2.0によりユーザー同士のオンライン上での協働が当たり前となり、モバイルインターネット端末の普及によりオンライン環境へのアクセスが更に容易になったことで、インターネットは新たな時代を迎えつつある。インターネットはただ情報を発信、消費するだけの場所から、人々が知力を集結し、共創するための場所に生まれ変わろうとしているのだ。

 そのような昨今のトレンドを踏まえ、英国ガーディアン誌が今年の1月に"Top 10 web trends shaping the future of sustainable business"と題して今後のサステナブルビジネスを考える上で外すことができない10のウェブトレンドを紹介している。以下、それぞれのトレンドについて簡単に説明したい。

1. ネット・バリュー・フットプリンティング

 国の規制やGRIのような国際ガイドラインなど、企業の透明性を求める動きは日に日に高まっているが、Web2.0によりその流れは加速している。企業は今や製品ライフサイクル全体における経済・環境・社会にもたらす影響を測定・開示するように求められている。

2. 法医学的影響分析

 透明性の向上に取り組む企業も増えている一方で、未だに自社の事業慣行を包み隠そうとする企業も多いのが現状だが、近年ではトレーサビリティ技術の向上、原材料の法医学的物質分析、アクティビストや消費者によるソーシャルメディア上でのリークなどにより、企業の悪しき慣行はすぐに暴かれるようになり、もはや隠し事ができなくなってきている。

3. クラウドソーシング

 伝統的な会社は投資家や消費者のニーズを掴む手段として依然としてグループインタビューやパブリックミーティング、時折実施するオンライン調査や店頭調査で十分だと考えているが、ウェブを積極的に活用する先進企業は既に世界はクラウドソーシングの時代へ移行していることを認識しており、自社のレピュテーション管理やイノベーション、困難な課題の解決に向けて今後更に積極的にクラウドソーシングを活用するようになる。

4. 破壊的パートナーシップ

 以前は国連などが主導する業界横断パートナーシップが主流だったが、近年では現状を打開するような破壊的パートナーシップが期待されており、それらの活動はオンラインを通じて行われる。グリーンピースがソーシャルメディアを効果的に活用してキャンペーンを展開しているのがその好例だ。

5. オープンソーシング

ソーシャルメディアの普及により人々がオンライン上で容易にアイデアや知識を共有できるようになったことで、オープンなイノベーションが実現できる環境が生まれている。この変化は企業にも大きな影響を及ぼしており、例えばテスラ社のように未来の電気自動車製造技術のために自社の特許を公開する企業なども出てきている。

6. ウィキ評価

 Web2.0時代の特徴は、ユーザーが自身の意見やコメントをウェブ上に発信できることだが、その特徴を存分に活かしているのがウィキ型プラットフォームだ。例えばWikirateのように、今はユーザーがオンライン上で企業のガバナンス、経済、社会、環境への取り組みを評価できる仕組みなどが出てきており、倫理に反することや好感を持たれる活動はすぐに評価へと反映される。

7. プロトタイピング

 Web2.0の世界ではまだプロトタイプ段階の製品を早期に「ベータテスト」として市場に投入し、ユーザーからのフィードバックを受けることができるが、このやり方により、問題を解決するための革新的なアイデアを得ることができるようになる。

8. スマートモビング

 Web2.0は、スマートモビングと呼ばれる新たなタイプの抗議活動を生み出した。これはメッセージングサービスのようなリアルタイムメディアを活用した情報共有・拡散を意味しており、不特定多数の人々に瞬時に行動を呼び掛けることができる。

9. アプリ・ファーム

 現在、社会・環境問題の解決を目的とする様々なアプリが開発されており、Google Playには400以上ものサステナビリティ関連アプリが並んでいる。ガーディアンはその代表例としてヨーロッパで大人気のカーシェアリングアプリ、BlaBlaCarを挙げている。

10. プラグ・アンド・プレイ

 現在のスマートテクノロジーではユーザーが動作をしなくても自動制御やリモート操作をすることができるようになってきており、家電や自動車などのエネルギーの効率化、節約やCO2排出削減などへの活用が期待されている。

 上記のように、ウェブ技術の発展と普及はビジネスの在り方自体を大きく変えつつある。ウェブを通じて情報を共有し、知を結集させ、グローバル課題の解決法を創造、発見するという新しい考え方が今後のビジネスの主流となっていくことが予想される。このようなトレンド、テクノロジーをどれだけ自社のビジネスに取り入れて行けるかが、今後の成功への鍵となる。

【参考記事】Top 10 web trends shaping the future of sustainable business

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