国際NGOのオックスファムは3月31日、大手食品・飲料企業10社の食糧課題・サステナビリティへの取り組み状況を評価したランキング、"Behind the Brand"を公表した。3回目となる今年のランキングでは、ユニリーバが50点(70点満点)を獲得し、48点のネスレを抑えて1位に輝いた。
同ランキングはアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ、コカ・コーラ、ダノン、ゼネラル・ミルズ、ケロッグ、マース、モンデリーズ、ネスレ、ペプシコ、ユニリーバのグローバル大手食品・飲料10社について、透明性、農家、女性、農作業員、土地利用、水、気候変動の7項目を基に各企業の取り組みを分析、評価したものだ。
今年は昨年と比較して8社がより高い評価を得た一方で、ダノンとコカ・コーラの2社は全体のスコアに改善が見られなかった。また、英国のABFは昨年に引き続き10社中最下位の評価となったほか、ケロッグ、ダノン、ゼネラル・ミルズの3社も厳しい評価を受け、ユニリーバの半分のスコアも獲得できなかった。
(※Unilever takes top spot on Oxfam’s Behind the Brands Scorecardより引用)
オックスファムは、企業により程度の差はあるものの、全体として社会、環境問題に関する企業の姿勢は明らかに真剣さを増してきており、過去2年間で企業らの方針は大きく改善されたているが、その実践面についてはまだ課題が多いとしている。
オックスファムで"Behind the Brands"の国際キャンペーンマネジャーを務めるMonique van Zijl氏は「過去2年に渡る数多くの我々の支援者からの継続的な圧力により、この大手10社は明らかに正しい方向に向かって進んでいる。しかしながら、本当のチャレンジはまだ始まったばかりだ。今、企業は新たなコミットメント方針を行動に移す必要がある。企業が行動を起こしてはじめて、数百万もの小規模農家と農作業者の生活に真の変化が生まれる。『農家』の項目はスコアカードの中でもっとも低くなっている。10社中6社は特に芳しくない結果になっており、企業の多くはサプライチェーン上の農家が抱える課題に対して依然として目をつむったままだ。異常気象が増え、農家が生計を立てられなくなっている今こそ、企業らは農家が気候変動に適応できるように責任を持って支援しなければならない」と語った。
Behind the Brandの評価対象となっている企業はいずれもグローバルにサプライチェーンをめぐらす大企業で、彼らの事業慣行やサプライチェーン慣行は世界中の環境、社会課題に大きなインパクトをもたらしている。各企業ともに今回オクスファムから低い評価を受けた領域の課題については重点的に改善に取り組む必要がありそうだ。
【リリース原文】Unilever takes top spot on Oxfam’s Behind the Brands Scorecard
【参考サイト】Behind the Brand
【団体サイト】Oxfam
(※写真提供:360b / Shutterstock.com)
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