中国政府の中で経済政策を管轄する国家発展改革委員会は5月25日、総額1.97兆元(約40兆円)規模のPPP(公民連携)インフラ投資プロジェクトをホームページ上で発表した。プログラムは水利施設、都市行政施設、交通施設、公共サービスと資源環境等の領域で合計1,043件にのぼり、PPPの参加形態は、特許経営、公共購買、株式資金協力など多岐にわたる。今回のプロジェクト選定においては、各省、自治区、直轄市が国家発展改革委員会に推薦し、国家発展改革委員会の審議を経て公開に至った。
今回の発表の数日前からPPPに関する政府発表が目白押しだ。まず5月11日に財政部、中国人民銀行、中国銀行業監督管理委員会は連名で行政通知を出し、地方政府に対して公共事業の追加融資を受ける際にPPP融資モデルを活用するよう指示した。5月22日には、財政部、国家発展改革委員会、中国人民銀行は連名で、エネルギー、交通運輸、水利など13分野についてはPPPモデルを推奨する行政通知を出した。同時に地方政府も積極的にPPPを活用してきている。河北省は5月12日、PPPプロジェクトの推進説明会を開催し、道路、空港、ゴミ処理と汚水処理などの分野で32のPPPプロジェクトを発表。総額は1,330億元(約2.7兆円)だ。
中国政府は、経済成長率が低下する中、目下金融政策に対して規律を強める一方、財政政策を通じた景気刺激策を打ち出している。今回のPPPプロジェクトの大量発表は、長期的に不可欠な社会インフラ投資と資金需要創出をPPPを活用して実現しようとしていると言える。プロジェクトの組成・開始までには行政手続きや契約等で半年ほど要する見込み。経済、社会、環境のトリプルボトムラインをどのように実現していくか、中国政府の手腕に注目が集まる。
【政府サイト】国家発展改革委員会
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