金融サービス世界大手の米ブルームバーグは3月17日、事業活動に必要な電力を2025年までに100%再生可能エネルギーとすることを発表した。同社は、今回の計画の背景に、再生可能エネルギー100%を目指す企業らで構成されるイニシアチブ「RE100」の存在があることをも明らかにした。
RE100は、2014年に再生可能エネルギー100%で事業活動を行うことを目指す企業らが立ち上げた同盟組織だ。設立に関わったのは、家具世界大手のイケアとスイス再保険。その後、電機大手フィリップス、消費財大手ユニリーバ、ネスレ、ファッション大手H&M、菓子大手マーズなどが参加し、さらに2015年には、ゴールドマン・サックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ナイキ、P&G、スターバックス、ウォルマート、コカ・コーラ、BMWグループなども加わった。今では世界56社が加盟している。RE100は、力のあるNGOの「The Climate Group」が主導しており、気候変動の分野で最有力のNGO・CDPも協力している。またRE100は、低炭素社会の推進を目指す350以上の企業と180以上の機関投資家が参加するイニシアチブ「We Mean Business」の活動のひとつとも位置づけられており、RE100への加盟表明はさらに加速していく可能性が高い。
同社のCurtis Ravenelサステナビリティ・ビジネス・アンド・ファイナンス分野のグローバルトップは、今回の決定の狙いには、倫理面と実利面があると話す。倫理的側面としては、現在企業は世界電力の約半分を消費しており、企業が消費電力を減らし、世界のサステナビリティのために企業が再生可能エネルギーを推進していくことが重要だとする。また、実利面としては消費電力を減らすことはコスト削減にも繋がることを挙げた。
ブルームバーグは今後自前の大規模太陽光発電所を建設していく。すでに2015年秋に完成したニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港の大規模太陽光発電所建設に参加し、同社のニューヨーク本社の電力は一部再生可能エネルギーが使われている。また、今日までに他に2つ、2016年に2つ、2017年に1つの大規模太陽光発電所を建設中だ。こうした自前の発電所を持つことで、再生可能エネルギーを購入するより安上がりだという。同社は2007年よりREC社から再生可能エネルギー電力の一部購入を進めてきたが、既存の風力発電所や太陽光発電所からの電力購入をさらに増やしてもいる。今後はこの動きを米国外の事業所に対しても展開していく予定だ。ブルームバーグはRE100が保有するノウハウを用いることで一層の省エネルギーも可能となり、財務的にも合理的な判断であるという自信を持つことができたと話している。
ブルームバーグは2013年に、2020年までの再生可能エネルギー電力率35%を目標とする発表をしていた。この目標は達成できる見込みだという。2025年までの100%目標も絵空事ではないと、Ravenel氏は達成に大きな自信を見せている。
【参照プレスリリース】We’ve Committed to Source 100% Renewable Electricity by 2025
【参照サイト】Bloomberg L.P.
【企業サイト】Bloomberg
【団体サイト】RE100
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