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【アメリカ】ムーア財団、9000万米ドルを持続可能な食糧生産のためNGOに給付

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 世界最大の環境保全財団の一つ、ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団は3月24日、食糧生産による環境への影響を低減することを目的とした9,000万米ドル(約97億2,000万円)以上の助成金基金プログラムを公表した。世界的な人口増加による食糧問題が懸念されるなかで、環境負荷を与えず、食糧生産能力を維持したいという考えが背景にある。

 ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団は、インテルの共同創設者であるゴードン・ムーアとその妻ベティ・ムーアによって2000年に設立された財団。2001年に助成金を交付を開始して以来、現在では科学、環境保全、介護、サンフランシスコ・ベイエリアを中心に総額30億米ドル(約324億円)以上の助成金を交付している。交付先団体は2,000以上だ。

 現在、食糧生産によって引き起こされる問題が世界中で散見される。例えば、農業については世界の氷に覆われていない土地の40%は農地であり、農業によって淡水の70~90%は利用され、温室効果ガスの30%が農業によって排出されている。また、商用農業は世界的な森林損失の半分をもたらしている。漁業では乱獲が世界的な共通課題として認識されており、2012年において8,000万トンもの魚が水揚げされている。また、水産養殖は90年代半ばから倍以上に増えており,それにより海洋汚染や海洋生態系の変化などが引き起こされている。

 ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団は、これらの商慣習を変革するためには、NGO、民間企業、政府、その他ステークホルダー間の業界を越えた協働が必要であると認識しており、重要な領域について3つの新たなイニシアティブを形成。今回発表した9,000万米ドルの助成金は、これらのイニシアチブに投じられる。

1. 森林・農業市場イニシアティブ

 有力な国内・多国籍企業とともに調達基準を定め運用することで、アマゾンやセラード、チャコ地域での牛と大豆の生産を、より効率的、持続可能なスタイルで、森林伐採を引き起こさないスタイルに変えていくイニシアチブ。全米野生生物連盟、ザ・ネイチャー・コンサバシー、WWF(世界自然保護基金)とゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団の4者がこのコラボレーションの中核を形成する。

2. 海洋・海産物市場イニシアティブ

 養殖手法の改善と天然魚資源捕獲の健全化の双方を通じて、海洋と海洋生態系の保護を目指すイニシアティブ。FishWise、Seafood Watch、Sustainable Fisheries Partnership、WWF、New Venture Fund、ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団の6者が中核機関。

3. 環境保全・金融市場イニシアティブ

 金融市場の力を活用し、食品業界から自然生態系を悪化させる生産を根絶させるイニシアティブ。Ceres、WBCSD、WWF、ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団の4者が中心となる。

 これら3つのイニシアチブに投じられる基金予算のうち約4,000万米ドル(約4,300億円)は、イニシアチブを進める上で新たに発覚する課題への対処のためにプールされる。また、基金予算の半分は、中核機関となるNGOを通して、活動に参加する他の専門機関に再給付される。

【参照リリース】More than $90 million awarded to promote sustainable supply chains
【機関サイト】Gordon and Betty Moore Foundation

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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