農業ビジネス大手36社は9月15日、世界の農作物サプライチェーンや農業経営者が直面する主要な環境・社会課題へ連携して対処するための連合体「Global Agri-business Alliance(GAA)」を設立した。本部はシンガポールに置く。設立メンバーとして参加するのは、新興国企業が多く、ウィルマー・インターナショナル(シンガポール)、ゴールデン・アグリリソーシーズ(シンガポール)、オーラム・インターナショナル(シンガポール)、その他東南アジア、南アジア、中東、アフリカを中心としたの主力企業が加わった。日本企業では三菱商事が参画している。
GAAはこの日、オーラム・インターナショナルがスポンサーとなって開催した「Building Sustainable Futures Forum」にて設立を表明。今後、国連持続可能な開発目標(SDGs)に貢献していくため参加企業CEOが主導していく。とりわけ、SDGsの第2目標である「飢え、食の安全、栄養状態、持続可能な農業」に注力していく。参加企業が営む穀物や乳製品、パーム油、ナッツ、砂糖などの農作物が対象となるが、農薬についても対策を検討していく予定。生産者現場の労働環境改善にも繋がることからSDGsの第1目標である「貧困」問題にも資する効果を期待している。
同時にGAAは、業界の主要企業が協働することから懸念される独占禁止法にも配慮し、価格や顧客、営業状況に関する競争上重要な情報は共有しない。同時に参画企業がGAAの会議外でもこれらの情報を共有しないよう取り決めた。また、国際貿易体制に関する議論などもGAAでは扱わない。
農業分野の環境や社会に関する課題がここ数年多く指摘されてきており、すでに世界大手企業では生産現場の改善のためNGOと提携するケースも次々と出てきている。また、農業ビジネス企業が横のつながりで連合を組み自主規制やナレッジ共有を進める動きも欧米では加速してきており、今回のGAAの取り組みにより新興国にもその動きが波及してきた。
【参照ページ】NEW AGRI-BUSINESS ALLIANCE SETS ITS SIGHTS ON 2030 UN SDG TARGETS TO TACKLE GLOBAL FOOD SECURITY
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