カカオ産業のサステナビリティ向上を目指す世界カカオ財団(WCF)は10月26日、米国政府の「Feed The Future」イニシアチブと連携し、「African Cocoa Initiative II」事業を立ち上げたことを発表した。世界カカオ財団には、EUや米国農務省、米国労働省、世界銀行、ビル・メリンダ・ゲイツ財団や世界各地のカカオ産業支援団体などが加盟する世界的な組織。今回立ち上げる「African Cocoa Initiative II」事業では、今後5年間にわたり、カメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアのカカオ農家を対象とし、金融サービス提供と高品質カカオ苗生産の分野に1,200万米ドル(約13億円)を資金提供する。この事業は、世界カカオ財団が推進する「カカオ・アクション」戦略の一端を担うものとなる。
今回の発表は、コートジボワールで開催された世界カカオ財団の総会で行われた。開催国コートジボワールのDaniel Kablan Duncan首相は、同国のカカオ産業政策を発表。2020年までに地元のカカオ生産の半分を現地で加工し、チョコレート生産を現地で行う取組などがその内容。チョコレート産業は、カカオの段階は原料は安く、チョコレートに加工されると高く販売でき、中間利潤が大きい。現地でチョコレート製造まで行うことで、カカオだけを販売するよりカカオ農家には利益が残ることとなる。
総会では、同財団が2014年に開始した「カカオ・アクション」戦略の年次報告も行われた。この戦略は、カカオ農家とその家族が経済的に自立でき、高度な農業を行える農家を育成し、カカオ産業を中心とする地域コミュニティの生活の質向上を目指している。戦略は、ガーナとコートジボワールの30万人を最初の対象として定め、チョコレートまたはカカオ製造世界大手9社の自発的協力の基に「カカオ・アクション」戦略に沿う現地生産を展開し始めている。参画している9社とは、チョコレート世界大手ハーシーズ、マーズ、ネスレ、モンデリーズ、フェレロや、カカオ世界大手バリーカレボー、カーギル、オーラム・インターナショナルなど。日本のチョコレートメーカーや商社からの参加はない。総会ではその他、サステナビリティ、森林伐採、女性生産者への金融支援、森林伐採、農家の世代継承、カカオに関する科学の将来動向、農場再生のための農家への資金提供などが話し合われた。
【参照ページ】Global Cocoa Sector Meets in Côte d'Ivoire to Explore New Directions for Sustainability Efforts
【機関サイト】World Cocoa Foundation
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