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【中国】原子力エネルギーの安全利用に関する「核安全法」成立。来年1月から施行

 中国全国人民代表大会常務委員会は9月1日、原子力エネルギーの安全利用に関する同国初の法律「核安全法」を賛成145、棄権2で可決した。習近平国家主席は第73号国家主席令を発令し、同法は即日公布された。2018年1月1日より施行される。中国はこれまで、原子力エネルギー利用に伴う放射性廃棄物の処理や処分等、安全利用に関する規制は、放射能汚染防止法等の法律、国務院が定める国務院令(条例に相当)、国家核安全局(NNSA)が定める規則などに分かれていたが、今回の立法により一元的に管理するための法体系が確立された。

 核安全法の条文は8章94条で構成。「総則」「原子力施設の安全」「原子力材料と放射性廃棄物の安全」「原発事故の対応」「情報の公開・国民の参加」「監督・検査」「法的責任」「附則」に分かれている。

 同法は、国全体の原子力エネルギーの安全利用に関する所管を、環境保護部の下に置かれている国家核安全局(NNSA)とすることを明確にした。また、原子力工業を統括する部門及びエネルギー部門もそれぞれの所管の範囲内で安全利用に責任を持つとした。

 中国での原発推進のボトルネックになっていると見られている使用済核燃料の処理・処分については、現行規則である国家原子能機構(CAEA)等の「原子力発電所の使用済燃料の処理処分基金の徴収、使用及び管理に関する暫定手続き」の内容を踏襲し、原子力発電事業者が処分費用を負担することが改めて法律レベルで定められた。また、原子力施設の廃炉費用と放射性廃棄物の処分費用についても、原子力発電事業者がプロジェクト費用に事前に組み込み、投資コストや発電コストに反映させることとされた。原子力発電所は発電コストが安価だと言われているが、廃炉費用や放射性廃棄物の処分費用が発電コストに織り込まれることが明確になり、これらのコストが鍵を握ることになる。

 また、放射性廃棄物の処分方法については、高レベル放射性廃棄物は、現行の「放射能汚染防止法」を踏襲し、地層処分することとになった。一方、低・中レベル放射性廃棄物には、地表処分の他に、今回の法律で新たに中深度処分(地表よりも地中深い)とすることについても認められ、環境保護部等の規制当局が処分方法を厳しくすることが可能となった。

 全国人民代表大会常務委員会法工委員会国家法室の童衛東・副主任は、記者会見の中で、罰則の基準を引上げ、違法行為の取締を強化していく考えを示した。同法では、最大500万人民元(約8,500万円)の罰金を定めている。

 中国は、原子力発電の発電量で現在世界3位。建設中の規模では世界一。

【参照ページ】全国人大审议并表决通过《核安全法》
【法律】中华人民共和国核安全法

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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