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【国際】UNEPと国際稲研究所、世界のコメ農家の気候変動対応で提携

 国連環境計画(UNEP)と農林水産業の技術発展推進国際機関・国際農業研究協議グループ(CGIAR)傘下の国際稲研究所(IRRI)は10月3日、持続可能な稲作を推進する新たなパートナーシップを締結した。覚書によると、気候変動に対応できる稲作のベストプラクティス展開、特に発展途上国の小規模農家のニーズに応えられるプラクティスに焦点を当てる。

 両機関は2008年、政府、企業、研究機関、地域団体が参加する稲作協働推進イニシアチブ「Sustainable Rice Platform」を共同で創設。2011年には両機関の公式な提携が始まり、今では世界中から80以上の関係機関を巻き込んで、調査研究、生産、政策提言、貿易、消費等あらゆる分野で持続可能な稲作の実現を目指している。

 稲作は農村経済や世界の食糧安全に欠かせない作物。しかし、気候変動、生産性の低下、土壌肥沃度の低下問題等の問題が浮上し、干ばつや洪水、気温上昇や海面上昇等、あらゆる要因が重なって生態系や生物多様性に影響を及ぼしている。今後5年間、両機関は「Sustainable Rice Platform」を軸に、100万人の小規模農家に対し気候変動耐性のある稲作への転換を支援していく。具体的には、意識喚起、能力開発、知見の交換、政策提言のためのエビデンス・ベースの分析実行といった活動が想定されている。

 現在世界では、1億4,400万人の農家が35億人分の需要を支えている。コメを食す人々のうち、8億人は1日1.5ドル以下という貧しい生活を強いられている。しかし、このまま手を打たないでいれば2050年までにコメ供給不足に陥るリスクがある。今後25年で25%世界のコメ需要が伸びる一方で、気候変動の影響によりコメの生産性が最大20%落ちるという指摘もある。

 水田はメタンガスを排出することでも知られる。水田の土壌には酸素が少ない環境下でメタンガスを生成する微生物「メタン生成菌」が生息しており、水稲の根や茎を取って大気中に放出されている。コメは世界のメタンガス発生量の9%から11%を占めるとされており、そのことからも、気候変動とコメ農家の双方に焦点を当てた活動の意義がある。

【参照ページ】UN Environment and IRRI join hands to drive climate-smart sustainable rice

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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