食品世界大手米ペプシコは1月24日、インドネシア食品大手Indofoodのシンガポール食品子会社Indofood Agri Resources(IndoAgri)からのパーム油の調達を一時停止すると発表した。IndoAgriに対しては、国際環境NGO米Rainforest Action Network(RAN)、国際人権NGO米OPPUKと米International Labor Rights Forumが2016年4月に、人権侵害に関与していると問題提起。2017年11月には、詳細な報告書を発表し、ペプシコ、ネスレ、カーギル、ユニリーバ、ケロッグ、モンデリーズ、マース、P&G等に対し、取引見直しを要求していた。今回のペプシコの発表は、RANの要求に応じた形。
RANらは、Indofoodがインドネシアでパーム油を製造する過程で、法外な低賃金や危険な環境での労働を労働者に強いている指摘している。すでに事象は、国際的なパーム油認証団体RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)にも報告されている。IndoAgriは、一定の対応策をすでに発表しているものの、今回ペプシコは「さらなる進展と目に見える成果が上がるまで取引を停止する」と発表した。
Indofoodは、ペプシコのスナック菓子を現地生産するため合弁企業を両社の間で設立しており、ペプシコとIndofoodの事業の繋がりは強い。今回そのペプシコが、Indofood子会社のIndoAgriとの取引停止を発表した意義は大きい。ペプシコは今後、RSPOでの審議の支援、RAN等の国際NGOとの協議、IndoAgriや1次サプライヤーへの働きかけ、Indofoodsの事業方針策定支援等を実施していく。
Indofoodは、インドネシアの巨大財閥サリム・グループの1社。
【参照ページ】PepsiCo sourcing of palm oil from Indonesia
【参照ページ】PepsiCo Admits Connection to Ongoing Labor Abuse In First Public Statement Following Investigative Report
【報告書】THE HUMAN COST OF CONFLICT PALM OIL REVISITED