サンフランシスコ職員退職年金基金(SFERS)は1月24日、運営理事会を開催し、投資ポートフォロリオにおける化石燃料関連企業の割合を減らす決定を全会一致で決定した。今後ダイベストメントする対象企業とスケジュールを検討し、今年4月までの運営理事会承認を目指す。SFERSの運用資産総額は240億米ドル。
SFERSはすでに2015年5月、MSCIの化石燃料銘柄除外インデックスで1億米ドルを運用することを開始している。2017年5月には石炭火力発電関連企業からのダイベストメントを決定。2017年6月には国連責任投資原則(PRI)に署名した。
今回の決定は、気候変動への関心が高まる中、同基金の事務局が、ハイリスクで気候変動への悪影響が大きい企業からのダイベストメントを含む6つの戦略を提議。運営理事会は、化石燃料関連企業への投資を削減することが、年金加入者の資産を保護することにつながるとし全て承認した。同理事会では、同戦略が同年金基金の運用財務リターンに悪影響を与えず、年金加入者の資産を毀損しないことも確認された。
まず、今年4月までに、ハイリスクで気候変動への悪影響が大きい企業を分析するための定義設定やベンチマーク分析と、ダイベストメントのスケジュールを理事会で承認し、同10月までに詳細なダイベストメント計画を確定する。
次に、10億米ドルのパッシブ運用資産に対し、ポートフォリオ全体の二酸化炭素排出量の基準を設けることを決定。米大型株インデックスRussel1000に対して、50%排出量を削減する目標を設定した。
そして、ダイベストメントを着実に実施していくための責任者として、同基金内に「社会責任投資担当理事」を設置することを決定した。また、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalPERS)やニューヨーク州退職年金基金等の他の公的年金基金と連携し、化石燃料関連資産のリスク分析やリソース共有を推進することも決めた。
提議内容の他の2つは、再生可能エネルギーや二酸化炭素排出量削減分野への投資促進と、ESG投資推進NGOのCeresや国連責任投資原則(PRI)を通じた活動の増加。
【参照ページ】SFERS Board votes to pursue a phased divestment of “riskiest dirtiest fossil fuel assets” in its portfolio
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