【日本】経済産業省、2018年度エネルギー白書が閣議決定。風力・太陽光より水素エネルギー強調か 2018/06/11 最新ニュース

 経済産業省は6月8日、2018年度エネルギー白書が閣議決定されたと発表した。今年度のエネルギー白書では、明治維新後の日本のエネルギーをめぐる歴史を詳述し、時代にとともに論点が移り変わってきたことを強調。現在の各電源分野や送配電においても、課題と今年度関連予算を結びつけて説明し、経済産業省として対応しているとする姿を全面に打ち出した。一方、将来のエネルギー計画については、「将来的に」再エネの主力電源化するとしつつも、別途第5次エネルギー基本計画改訂の議論が実施されているためか、詳しい内容は記載しなかった。

 同白書では、日本の2050年のエネルギー将来像について、脱素化への挑戦、安全の革新、エネルギー多様性と自国技術を重視したエネルギー安全保障、技術革新・競争力を踏まえた経済性の向上が重要な検討要素となると掲げた。今回の白書でも強調されているエネルギー安全保障に関しては、再生可能エネルギー、石油・ガス、将来自国エネルギー源として期待されるメタンハイドレートのいずれも重要だと別々のページの中で言及した。

 但し、低炭素や脱炭素を進めるための日本の技術力については、高効率火力発電、太陽光発電、風力発電は製品の世界市場シェアが低く、一方、水素関連技術である燃料電池、地熱発電、蓄電池は比較的シェアが高いとし、「自国技術を重視したエネルギー安全保障」という観点からは、太陽光や風力は重視せず、政府が旗を振る水素エネルギー等に重点を置く考え方を匂わせた。

 また、世界的には一般的ではないが、高効率火力発電、太陽光発電、風力発電を「低炭素技術」、燃料電池、地熱発電、蓄電池を「脱炭素技術」と定義する表現を行い、後者の方が優れているという見せ方にも注意を払った。しかしながら、水素エネルギーについては、化石燃料を原料とした水素生成に現在依存しており、水素生成時の二酸化炭素排出量削減という課題が残り、加えて水素エネルギーを輸入に依存するリスクも潜んでいる。

 原子力発電に関しては、「依存度を可能な限り低減ししていくとともに、安全最優先で利用していく」とする第4次エネルギー基本計画の表現を繰り返すに留めた。

 国際的な気候変動緩和への貢献については、日本企業が実現している二酸化炭素排出量削減への技術や取組を、国際的なバリューチェーン全体に拡大すれば日本の年間の排出量の3.7倍から4.7倍削減できるとする分析を紹介。国内で削減対策をする以上に、海外での削減分を、パリ協定に基づき表明した日本の削減貢献量としたいという思惑も覗かせた。

 エネルギー白書(エネルギーに関する年次報告)は、エネルギー政策基本法第11条に基づき、政府が国会に提出する報告書。

【参照ページ】「平成29年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」が閣議決定されました
【白書】平成29年度エネルギー白書

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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