英人権NGOのKnowTheChainは6月17日、情報通信(ICT)業界の強制労働問題への対応状況を評価した2018年ランキング「2018 Information and Communications Technology Benchmark」を発表した。世界上位40社が対象。自社対応だけでなくサプライチェーンでの取組も大きな評価項目となった。同ランキングは2016年にも実施された。
評価対象となった企業は、アップル、インテル、HP、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、サムスン電子、TSMC(台湾集積回路製造)、鴻海科技集団(フォックスコン)、テキサス・インスツルメンツ、マイクロン・テクノロジー、NVIDIA、アプライド・マテリアルズ、ASMLホールディングス、SKハイニックス、シスコ・システムズ、マイクロソフト、クアルコム、エクリソン、ブロードコム、ノキア、アマゾン、京東方科技集団(BOE)等。日本企業では、日立製作所、キヤノン、東京エレクトロン、任天堂、村田製作所、京セラ、HOYA、キーエンスの8社が対象となった。
評価は、「コミットメントとガバナンス」「トレーサビリティとリスクアセスメント」「調達慣行」「人材採用」「労働者の声」「モニタリング」「救済措置」の7つの観点で実施。
(出所)KnowTheChain
首位はインテル。2016年ではトップだったアップルとHPを抜き1位となった。2位はHP、3位はアップルで、米国企業がトップ3を占めた。4位はオランダのNXPセミコンダクターズ、5位はサムスン電子、6位マイクロソフト、7位鴻海科技集団(フォックスコン)。
一方、日本企業は低迷した。日本企業では首位の日立製作所は12位となるも、スコアは首位企業の約半分に留まった。その他は、任天堂24位、東京エレクトロン25位、村田製作所26位、キヤノン29位、HOYA30位、京セラ32位、キーエンス35位と低迷し、5位のサムスン電子、7位のTSMC(台湾集積回路製造)、19位の鴻海科技集団(フォックスコン)に及ばなかった。
全体傾向では、平均点は32。前回2016年も評価対象となった企業に限ると、平均点は前回の39から40と微増。一方トップ企業は、スコアを伸ばしており、インテルは59から75に、サムスン電子は54から62に大きくスコアアップした。
同レポートでは、40社のランキングの他に、各社のポリシー分析、企業が取るべき対応についても提言している。特に強調するのは企業から労働者への積極的な働きかけで、苦情処理メカニズムの構築、倫理的な採用プロセスの導入やエージェントへの手数料分払い戻しなどによる、移民労働者への配慮が推奨されている。
KnowTheChainは、今後食品セクター、アパレルセクターについても同様のレポートを今年度中に発表する予定だ。
【参照ページ】2018 Information and Communications Technology Benchmark
【レポート】2018 Information and Communications Technology Benchmark
【メソドロジー】Benchmark Methodology
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