【イギリス】バーバリー、約42億円の在庫焼却処分。問題の本質は焼却行為より過剰在庫 2018/07/24 最新ニュース

 アパレル世界大手英バーバリーが5月15日に発表した2018年アニュアルレポートに記載された売れ残り在庫処分方法が、突如英メディアによって批判される状況が発生している。ブランド価値保全のために焼却処分したことが問題とされているが、事の本質は過剰在庫にあるのではないか。

 バーバリーは、同レポートにおいて、棚卸在庫の会計報告の項目で、「The cost of finished goods physically destroyed in the year was £28.6m (2017: £26.9m), including £10.4m of destruction for Beauty inventory.」と記載。日本語にすると「当該年度に物理的に破壊した完成品のコストは2,860万ポンド(約42億円)。そのうち1,040万ポンド(約15億円)は化粧品在庫の破壊によるもの」となる。ここでの物理的破壊とは、焼却処分のことを意味する。焼却した理由については、廃棄しない商品が違法チャネルで出回ることで、知的財産やブランド価値が既存することを防ぐためだと説明したという。これに対し、英メディアは、国際環境NGOグリーンピースの声を紹介しつつ、資源を無駄にする行為と批判を繰り広げた。

 実際にバーバリーは、売れ残り在庫問題に無関心なわけではない。バーバリーは同年度に、事業からの廃棄物を削減するため、傷ついた衣類52tをジオテクスタイル(建材の一種)のリサイクルしたり、加工途中の生地51tを糸、繊維、自動車用断熱素材等にリサイクルしている。また、主要事業所のあるイングランド北部の自社工場と配送センター及びロンドンの本社と店舗では埋立廃棄物をゼロにした。また、皮革素材の切れ端材については、同社関連のバーバリー財団と雑貨メーカーのElvis & Kresseが5年間のパートナーシップを結び、Elvis & Kresseに皮革切れ端材120t以上を提供するプロジェクトを進めている。今回報道された焼却処分は、すでにブランドロゴが付けられた商品のみで、ロゴが付けられる前の素材についてはリサイクルを進めてきたことがわかる。また、焼却についても、熱エネルギー転換する方策を模索しており、熱回収は環境マネジメントの一つして必ずしも悪いものではない。

 一方、売れ残り在庫が発生するぐらい商品を作りすぎているという問題もある。バーバリーは、過剰在庫を最小限に留めるため最新の注意を払っていると言うが、焼却在庫評価額は2016年度発表では1,880万ポンド、2017年度発表では2,690万ポンド、2018年度発表では2,860万ポンドと増え続けている。バーバリーは、化粧品在庫焼却額が1,040万ポンドと多いことについては、2017年に化粧品大手コティとの間でライセンス契約を締結したことによる一回限りのものとしているが、やはり衣類の焼却は多いことには変わらない。

 廃棄物問題が取り沙汰されるアパレルメーカーは、バーバリーだけではない。アパレルのサーキュラーエコノミー推進では、英エレン・マッカーサー財団が「Make Fashion Circular」イニシアチブを展開しており、バーバリー、H&M、NIKE、GAPは5月16日、同イニシアチブに参加。アパレル廃棄物の削減に向け協働していくことを誓った。今後、過剰在庫削減に向けた取組が期待される。

【レポート】Burberry Annual Report 2017/18

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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