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【日本】環境省、2017年度の政府の気候変動適応計画フォーローアップ報告書公表

 環境省は9月10日、「気候変動の影響への適応計画の平成29年度施策フォローアップ報告書」を公表した。同報告書は、「気候変動の影響への適応に関する関係府省庁連絡会議」で、2017年度に実施した気候変動適応施策をまとめたもの。政府は、2015年11月27日の閣議決定に基づき、気候変動適応計画を策定、推進することにしている。

 今回の報告書では、気候変動適応計画の7分野「農林水産業」「水環境・水資源」「自然生態系」「自然災害・沿岸域」「健康」「産業・経済活動」「国民生活・都市生活」と基盤的取組について、全施策を56施策群に分類。現在、そのうち38施策群については合計291の指標が設定されており、各分類ごとの進捗状況を整理した。

 しかし、設定されている指標は必ずしも十分とは言い難い。例えば、暑熱に関する啓発・注意喚起のための指標は「リーフレット配布先の個所」や「ツイッター発信件数」「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」に係る周知用リーフレット印刷枚数(部)」の3つ。どのぐらい実際の啓発や注意喚起につながったのかがほぼ見通せない指標設定となっている。また、今年の台風では関西国際空港での浸水や連絡橋の大規模損害が発生したが、「空港における適応策」の関する指標は「空港における適応策を検討する」という内容で、昨年度の成果は「検討を実施」、今年度の取組目標は「引き続き検討を実施」と書かれており、どのような検討がされているのかわからない内容だ。

 心配される世界的な食糧不足については、「世界食料需給予測」というテーマが設定されているものの、指標及び昨年度の取組進捗として定められているのは「超⾧期食料需給予測システムの取組状況」の「報告書を作成した」、「食料需給見通しの公表」を「実施した」、「公表資料掲載回数」で「メールマガジン24回」等となっており、食糧不足の予測状況やそれに向けた対応の状況は関係者に把握されているとは言い難い。

 KPIマネジメントの設計の肝は、KPIが達成されたときに全体のゴールが達成できるものになっているかにある。果たして現在の適応計画のKPI設計は、100%達成できたものに、日本全体で気候変動に適応できたと言えるものになっているだろうか。

【参照ページ】「気候変動の影響への適応計画の平成29年度施策フォローアップ報告書」の取りまとめについて
【報告書】気候変動の影響への適応計画の平成29年度施策フォローアップ報告書
【進捗管理】平成29年度に実施した施策における指標一覧

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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