世界気象機関(WMO)は11月20日、2017年の大気中の温室効果ガス(GHG)濃度の年平均が観測史上過去最高を記録したと発表した。二酸化炭素量換算で405.5ppmとなった。二酸化炭素量濃度は、気候変動の状況を知る極めて重要な尺度で、2016年は403.3ppm、2015年は400.1ppm。2015年に400ppmを突破した際には大きな衝撃を呼んだが、それ以降も大気中の二酸化炭素濃度排出量は増加し続けている。
WMOは今回、温室効果ガスであるメタンガスや一酸化二窒素(N2O)の濃度も大きく増加しており、さらに気候変動だけでなくオゾン層破壊の原因にもなるフロン11(トリクロロフルオロメタン)の濃度が再び上昇してきていることにも警鐘を鳴らした。フロン11は、1992年のモントリオール議定書で製造禁止指定された物質だが、東アジア地域で大きく上昇してきているという。一方メタンガスは、40%が化石燃料燃焼から、60%が家畜の息、バイオマス燃料燃焼、化石燃料採掘、コメ農業から排出されている。
WMOが大気中の二酸化炭素濃度や濃度上昇の原因となる社会活動の継続調査を実施する一方、国連環境計画(UNEP)はパリ協定の達成に向けた政策動向のウォッチを進めており、両者は協働を強化している。UNEPの政策動向ウォッチレポートは11月27日に発行される予定。
【参照ページ】Greenhouse gas levels in atmosphere reach new record
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら