日本製鋼所は4月24日、室蘭製作所で行っていた風力発電機の製造・販売事業から撤退すると発表した。2016年度から製造中止及び新規販売を中止していたが、将来的にも収益確保が困難と判断し、最終的に正式に撤退を表明した。
同社は、2006年に風力発電機事業に参入し、日本国内で135基の風力発電機を納入してきた。しかし、「日本の厳しい気象環境に対応する技術開発が課題」となり、収益が確保できなくなったとしている。今後も、既設の発電所の保守・メンテナンス事業は継続する。
風力発電機事業は、国際競争が激しくなり、日本企業は大きく低迷している。直前まで日本で大型風力発電機を手がけていたのは、三菱重工業、日本製鋼所、日立製作所の3社だが、今回、日本製鋼所が撤退した。三菱重工業はかつて10位以内にランクインしていたが、すでに単独での新規販売を停止し、世界トップのヴェスタス(デンマーク)と洋上風力発電事業に特化した折半合弁会社「MHIヴェスタス」を2014年に設立することで、生き残りを図っている。
日立製作所も2019年1月、欧州2位の独エネルコンとの提携拡大を発表。従来は、日立製作所が自社風力発電機を、グループ企業の日立パワーソリューションズがエネルコンの風力発電機を販売してきたが、日立製作所でもエネルコン製を販売していくと同時に、エネルコンとの共同開発体制に転換した。
戸田建設も、浮体式洋上風力発電事業に参入し、日立製作所の風力発電機を用いた実証実験及び商業運転を長崎県五島市沖で実施しているが、まだ採算ベースには乗っていない。
【参照ページ】当社一部事業の撤退に関するお知らせ
【参照ページ】風力発電システム事業の強化について
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