金融業界国際団体の国際金融協会(IIF)は12月16日、気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局団体「NGFS(Network for Greening the Financial System)」に対し、気候変動金融政策に対する書簡を送付した。
【参考】【国際】中銀・金融当局連合NGFS、中央銀行のESG投資ガイダンス発行。気候変動は金融リスクの発生源(2019年10月20日)
IIFには現在、70ヵ国450以上の金融機関が自主的に加盟している。日本から参加している機関は、政策投資銀行(DBJ)、国際協力銀行(JBIC)、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、農林中央金庫、野村ホールディングス、大和証券グループ本社、第一生命ホールディングス、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)。
今回の書簡を送ったのは、IIFのサステナブルファイナンス・ワーキンググループ。同ワーキンググループには目下、金融機関約150社が参加している。同書簡では、金融機関の気候変動への対応は、業界としても当局としても喫緊の課題であり、無駄にしている時間はないという認識を示し、その上で、NGFSに対し、提言を行った。
まず、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく分析を金融機関が実施するためには、投融資先の事業会社のTCFDに沿った海事が不可欠とし、NGFSとしても事業会社に対する開示を促す制度設計を要請した。次に、欧州や香港の中央銀行や金融当局が、金融機関に対する気候変動ストレステストを実施する姿勢を見せていることについて、ストレステスト手法に統一性をもたらすような「NGFSハンドブック」の発行を待望した。
また、金融機関のシナリオ分析手法については、分析の焦点、使用シナリオ、分析対象業種、データがない場合の対応方法の4つについて、統一的な見解を持つため、グローバルでの業界と当局との連携を求めた。特に、グローバル展開する金融機関にとって、類似だが微妙に異なるシナリオ分析を、各国の当局から提出させられるのは大きな負担となるため、協議を求めた。
【参照ページ】IIF SFWG Letter to the NGFS re: Climate Risk Analysis and Measurement
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