経済産業省は12月26日、ハイブリッド型バーチャル株主総会を実施する際の法的・実務的論点、及び具体的取扱いを明らかにした「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」の原案を発表した。2月7日までパブリックコメントを募集する。ハイブリッド型バーチャル株主総会は、物理的な場所で株主総会を開催しつつ、インターネット等での遠隔バーチャル参加も可能にする株主総会のこと。
同省は、ITの発展を受け、バーチャルでの株主総会参加についても可能性を開きたいと考えている。バーチャル株主総会には、リアルでの株主総会とともに開催する「ハイブリッド型」と、バーチャルのみ株主総会を行う「バーチャルオンリー型」がある。今回、バーチャルオンリー型については、現行の会社法下では難しいと法務省が解釈していることを受け、ハイブリッド型のみを今回のガイドの対象とした。
会社法上、株主参加については「出席」という概念があり、インターネット参加を「出席」とみなすか否かで、「バーチャル出席型」と「バーチャル参加型」に分かれるとした。バーチャル出席型の場合は、リアル出席と同等のアクセス性を確保しなければならず、通信設備の安定性、セキュリティ環境、IT環境の整備、通信障害が起こる可能性があることの事前通知が必要となるとした。さらに、本人確認となりすましの問題、出席数カウントの問題にも触れ、留意すべき点をまとめた。
一方、バーチャル参加型では、出席株主にのみ認められる質問や動議は行えないことを前提とし、議決権行使についても当日投票は法的にできないため、事前議決権行使を周知すべきとした。また、株主との対話を進めるという観点から、バーチャル参加の株主の質問を受付け、可能な範囲で回答、株主総会終了後に回答等の道もあるとした。
[2020年2月28日追記]
経済産業省は2月26日、「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」の最終版を公表した。
【参照ページ】「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(案)」についての意見を募集します
【参照ページ】「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定しました
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら