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【マレーシア】ゴミ処理場で廃プラ由来と思われる有害物質検出。グリーンピース調査。政府に提言も

 国際環境NGOグリーンピースは5月27日、マレーシアでの廃プラスチック処理の状況と政府提言をまとめたレポートの第2版「THE RECYCLING MYTH 2.0」を発表した。第1版は2018年11月、グリーンピース・マレーシアが公表し、注目を集めた。

 グリーンピースのプラスチック・リサイクルに関する調査は、中国のプラスチックごみ輸入禁止後に開始。2019年にはマレーシア政府が輸入ごみを返送すると発表したが、同NGOは同国内に残る廃棄物の状況に疑問を覚え、2019年7月と8月に調査を実施した。結果、マレーシアの複数の投棄場所において、細断されたプラスチックごみが、保管・処理・リサイクル中に周辺を汚染する可能性が高い残留性有機汚染物質(POP)を含んでいることがが明らかになった。同化学分析の結果は、グリーンピース・リサーチ・ラボラトリーズが公開した。

 例えば、インダ島の廃棄物処理所では、複数の汚染物質が検出。燃焼中や燃焼後に化学物質が生成されている模様。また、プラスチック廃棄物焼却場では、重金属や臭素系難燃剤等の有害化学物質も発見された。水質でも、プラスチック処理場に隣接する下流の表層水は、プラスチック処理場由来と考えられる化学物質で汚染されているという。さらに、スリチーディング埋立処理場の調査では、土の表層がカドミウムや鉛を含む高濃度の重金属で汚染されており、多環芳香族炭化水素(PAH)、揮発性有機化合物(VOC)、難燃剤(FR)も発見されたと指摘した。

 グリーンピースは、マレーシア政府に対し、プラスチック廃棄物の野焼きや不法投棄に利用される地域で、除染と修復に向けたアクションプランを提案。同国環境省には、有害物質の大気、土壌、水源への漏洩リスクと、影響地域の環境調査の実施、保健省には、輸入プラスチックごみ汚染による健康影響調査や、被害住民への医療支援の提供、マレーシア腐敗防止委員会には、プラスチックごみ管理における汚職を追及するイニシアチブの再開を求めた。

 また、政府の方針に反する違法なプラスチック廃棄物施設からの苦情が地域から寄せられていることを課題視し、廃棄物取引の透明性を高めるため、情報公開法の再検討を要請。効率的な規制により、汚職や違法業者を根絶し、持続可能性を担保すべきだとした。

 さらにその他のプラスチック輸入国や輸出国に対しては、プラスチック廃棄物処理業者に対するデューデリジェンスの法制化や、デューデリジェンスを実施しなかった場合の罰則化、輸出国間の法的拘束力のある国際合意、使い捨てプラスチックの段階的削減、プラスチックにおける拡大生産者責任(EPR)を実現する国際的な仕組みの構築等に向け、行動を起こすよう求めた。

【参照ページ】THE RECYCLING MYTH 2.0: The Toxic After-Effects of Imported Plastic Waste in Malaysia

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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